ふるさと納税2023-2025年の制度変更を徹底比較|給与所得者と個人事業主の賢い選択


「自己負担2,000円で特産品がもらえる」と人気のふるさと納税ですが、2023年と2025年に連続して大きな制度改正が行われることをご存じですか?
経費計算の厳格化や2025年10月のポイント還元禁止によって、寄付額や返礼品の選び方は大きく変わります。
本記事では、会社員(年末調整派)とフリーランス(確定申告派)の両方に役立つ最新ルールと実践的な対策をまとめました。
ふるさと納税とは?最新利用状況
ふるさと納税は、好きな自治体に寄付すると寄付額−2,000円が所得税・住民税から控除される仕組みです。
2022年度の寄付総額は9,654億円と過去最高を更新し、制度開始から右肩上がりで利用者が増えています。
控除を受ける方法は2つ。
ワンストップ特例(サラリーマン向け)は年末調整の範囲で完結し、確定申告(フリーランス・副業収入がある人向け)は所得税の申告時に控除を計算します。
どちらも返礼品は寄付額の30%以下、経費を含めて50%以下という総務省ルールが適用されます。
2023年10月改正のポイント
“隠れ経費”も50%ルールに含める厳格化
2023年10月の改正では、これまで対象外だったワンストップ特例事務費・受領証発行費などの事務経費が経費総額に追加されました。
その結果、寄付額の見直しや返礼品量の削減が相次いでいます。
地場産品基準の厳格化
「区域内加工ならOK」という従来基準が見直され、原材料まで地元産か、または地域に付加価値をもたらす工程であることが求められるようになりました。
これにより、他地域産の米や肉を加工した返礼品は認定が難しくなっています。
2025年10月改正のポイント
ポイント還元の全面禁止
2025年10月1日以降、楽天ふるさと納税などの仲介ポータルサイト経由でのポイント付与が禁止されます。
総務省の告示では「寄附に伴いポイント等を付与する者を通じた募集を禁止」と明記されており、民間原資のキャンペーンも対象です。
クレジットカード決済で付与される通常ポイントは除外されるものの、ポータルサイト独自のポイントやポイントサイトを経由した上乗せ特典は受け取れなくなります。
駆け込み需要が想定されるため、2025年9月末までに寄付を済ませるとお得です。
宿泊クーポン等の役務基準見直し
宿泊券・体験型返礼品は、サービス提供地域で付加価値の大半が発生しているかがチェックされ、1泊5万円超の高額クーポンは同一県内での利用に限定される方向です。
改正前後の比較早見表
改正項目 | 施行日 | 主な変更点 | 給与所得者への影響 | 個人事業主への影響 |
---|---|---|---|---|
経費50%ルール | 2023/10/1 | 隠れ経費も算入 | 寄付額がやや上昇 | 同左+確定申告書類の確認増 |
地場産品基準 | 2023/10/1 | 原材料まで地元産を要求 | 返礼品の種類が減少 | 同左 |
ポイント還元禁止 | 2025/10/1 | ポータルサイトの特典廃止 | 実質負担増(数%) | 同左 |
給与所得者・個人事業主向けの実践対策
サラリーマン(年末調整派)
- ポイント付与があるうちに2025年9月まで前倒し寄付
- ワンストップ特例が5団体超の場合は確定申告に切替
- 経費増で値上げされた返礼品は早期在庫限りに注目
フリーランス(確定申告派)
- 青色申告の控除とふるさと納税控除をセットでシミュレーション
- 経費増加で還元率が下がった返礼品より高付加価値体験型を選択
- 2026年以降はカード通常ポイントのみになる点を織り込む
よくある質問
Q. クレジットカードの1%ポイントは残る?
A. はい。制度改正は「仲介サイトが付与するポイント」のみ対象で、決済会社が付与する通常ポイントは存続します。
Q. 2023年改正で寄付上限は変わる?
A. 所得に応じた控除上限計算式自体は不変です。
ただし返礼品の寄付額が上がるため、同額の返礼品を選ぶと税控除残枠が早く消費される点に注意。
まとめ:改正スケジュールを押さえた計画的な寄付がカギ
2023年10月改正で返礼品の実質還元率が低下し、2025年10月にはポイント還元が全面終了します。
制度の大枠は維持されるものの、寄付タイミングと返礼品選びで得られるメリットは年々変わるのが現実です。
給与所得者は年末調整前に枠を確認し、フリーランスは確定申告の試算と合わせて前倒し寄付を検討しましょう。
制度の趣旨を理解しつつ、地方と自分双方にメリットのある寄付計画を立てることが、今後ますます重要になります。
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