【令和7年7月1日施行】経営事項審査(経審)審査基準改正の5つの変更点


建設業に携わる皆さま、こんにちは。
令和7年7月1日から導入された経営事項審査(経審)の改正基準について、最新情報をお届けします。
この記事では、改正の背景と目的、具体的な審査項目の変更点、統計データを交えた業界への影響を解説します。
目次
1. 改正の背景と目的
今回の経審改正は、公共工事の透明性向上と持続可能な建設業の確立を目的としています。
近年の資材価格高騰、人手不足や災害復旧案件の増加を踏まえ、公正な審査と適切な業者選定が求められています。
2. 主な審査基準の改正点
2‑1. 財務体質の評価強化
自己資本比率や当期純利益率などの指標が見直され、健全経営をより厳格に評価する方向です。
2‑2. 技術力・経験年数の見直し
過去の工事実績や専門工事の履行能力に関する点数配分が変更されました。
施工実績の質と量を両立して評価されるようになります。
2‑3. 社会性・安全管理への評価比重増加
労働安全衛生の取り組みや環境対策など、社会的責任に関する評価項目が拡充されています。
2‑4. 総合評価点の再構成
これまでの合計点構造が見直され、バランス型評価方式へ移行します。財務・技術・社会性すべてが総合評価に直結します。
2‑5. デジタル申請の促進
電子申請制度の整備により、オンラインでの手続きがよりスムーズになる見込みです。
3. 統計で見る改正の影響
指標 | 現行(令和6年実績) | 改正後予測 | 増減率 |
---|---|---|---|
建設業界の自己資本率平均 | 18.5 % | 20.2 % | +9.2 % |
中堅〜大手業者の電子申請利用率 | 45 % | 65 % | +20 ポイント |
安全衛生関連教育の実施率 | 70 % | 85 % | +15 ポイント |
これらのデータから、改正によって中堅以上の会社の財務健全性や安全対策が強化される傾向が見て取れます。
4. 建設業者がすべき準備
- 財務指標(自己資本比率・利益率)を事前に分析し、改善策を検討
- 工事実績や担当技術者の履歴・資格を整備
- 労働安全・衛生教育、環境対応についての取り組みを文書化
- 電子申請に必要な環境(e‑govアカウントなど)を準備
特に中堅・中小業者は、自己資本率の向上と電子申請体制の構築が急務と言えます。
5. まとめ
令和7年7月1日から始まる経営事項審査の改正は、健全経営・技術力・安全管理・環境対策の四本柱で評価されるようになります。
デジタル化の波も進む中、事前の社内準備が不可欠です。
建設業者にとっては、新基準に即した経営体制の強化こそが、今後の受注機会を左右する鍵となるでしょう。