今日からできる「家計の見直し5ステップ」|2026年特例をオマケに変える具体的なやり方

今日からできる「家計の見直し5ステップ」|2026年特例をオマケに変える具体的なやり方
ここまでのDay1〜Day3では、
- 2026年分の生命保険料控除に「1年間だけの時限措置」があること
- 対象は主に23歳未満の扶養親族がいる子育て世帯であること
- 実際の節税効果は数千円レベルになることが多く、「控除のために保険を増やす」と本末転倒になりやすいこと
を見てきました。
ここからが実践編です。
「制度の話はだいたい分かった。じゃあ、うちは具体的に何をしたらいいの?」
という疑問にお答えするために、Day4では、
- 今日からできる家計の見直し5ステップ
- それぞれのステップで「何を書き出せばいいか」
- 2026年の特例を“オマケ”として上手に使うための考え方
- FP(ファイナンシャルプランナー)と一緒に進めるときのコツ
を、できるだけ具体的にお伝えします。
「完璧な家計簿」を目指す必要はありません。
まずはざっくりでいいので可視化することから始めてみましょう。
家計の見直しが「保険より先」の理由
最初に、なぜ「保険の見直し」ではなく「家計の見直し」から始めるべきなのかを整理しておきます。
理由1:保険料は「毎月の固定費」だから
保険料は、一度契約すると10年・20年と長く払い続けるお金です。
一方、2026年の特例は1年間だけの一時的なものです。
1年だけの制度に合わせて固定費を増やしてしまうと、
- 教育費がピークを迎える頃に家計がパンパン
- 思ったように貯金が増えない
といった状況になりかねません。
理由2:本当に必要な保障額は「家計」を見ないと分からないから
たとえば、同じ年収500万円の人でも、
- 持ち家か賃貸か
- 貯金がどれくらいあるか
- 夫婦共働きか、一馬力か
によって、必要な保障額は大きく変わります。
家計の全体像を見ないまま保険の話だけ進めてしまうと、
「多すぎる保障にお金をかけてしまう」「逆に足りないところが残る」
といったアンバランスが生まれてしまいます。
理由3:家計を整えると、保険に頼りすぎなくて済むから
家計を見直して、
- ムダな固定費を減らす
- 生活防衛資金(いざというときの貯金)を確保する
- 教育資金や老後資金の土台を作る
ことができると、
「保険でカバーしなければいけない部分」自体が小さくなります。
その結果、
- 必要以上に高い保険に入らずに済む
- 家計に無理のない保険料で、必要な部分だけをカバーできる
といったメリットが生まれます。
Step1:今の家計の「ざっくり全体像」を見える化する
最初のステップは、「今、毎月いくら出入りしているのか」をざっくり把握することです。
完璧な家計簿を作る必要はありません。
まずは、次のようなシンプルな表を紙やノート、スマホのメモに書き出してみてください。
毎月の収入のメモ例
- 世帯主の手取り:◯◯万円
- 配偶者の手取り:◯◯万円(共働きの場合)
- 児童手当:◯◯円
毎月の支出のざっくりカテゴリ例
固定費(毎月ほぼ変わらないもの)
- 住宅費(家賃・住宅ローン)
- 光熱費・通信費
- 保険料(生命保険・医療保険など)
- 教育費(保育料・学童・習い事)
- サブスク・会費(動画サービス・携帯オプションなど)
変動費(毎月増えたり減ったりするもの)
- 食費
- 日用品
- お小遣い
- レジャー・外食
- その他(医療費・突発的な出費など)
それぞれ「だいたいこのくらいかな」という金額を書き出し、最後に、
- 毎月の合計収入:◯◯万円
- 毎月の合計支出:◯◯万円
- 差し引き(収支):+◯◯円 or −◯◯円
を計算してみましょう。
※「レシートを全部集めてから…」と完璧を目指すと、いつまでもスタートできません。最初は「感覚値」でOKです。
Step2:すでに入っている保障を棚卸しする
家計のざっくりした全体像が見えたら、次は「どんな保障に、いくら払っているか」を整理していきます。
1. 民間の保険をリストアップする
手元にある保険証券や、保険会社から届くお知らせを見ながら、次のような表を作ってみてください。
| 保険の種類 | 契約者・被保険者 | 主な保障内容 | 月々の保険料 | いつまで払うか |
|---|---|---|---|---|
| 死亡保険(定期/終身) | 夫 | 死亡時 ◯◯万円 | ◯,◯◯◯円 | ◯歳まで/終身 |
| 医療保険 | 妻 | 入院1日◯◯円 など | ◯,◯◯◯円 | ◯歳まで/終身 |
| 学資保険 | 子ども | 18歳時に◯◯万円 | ◯,◯◯◯円 | ◯年払い |
すべて書き出すと、「自分が思っていた以上に保険料を払っていた」という方も少なくありません。
2. 公的な保障を書き出してみる
民間の保険だけでなく、次のような公的な保障も、ざっくりで構いませんので確認しておきましょう。
- 万が一のときに出る「遺族年金」
- 病気やケガで働けなくなったときの「傷病手当金」
- 重い障害を負った場合の「障害年金」
- 高額療養費制度(医療費が一定額を超えたときの自己負担軽減)
「詳しい金額までは分からない」という場合も、
「何かあったとき、国や会社からどんなお金が出る仕組みがあるのか」
を知っておくだけでも、必要以上に保険で備えなくて済むことがあります。
3. 会社の保障・福利厚生もチェック
会社員の方は、
- 死亡退職金・弔慰金の有無
- 団体保険(会社を通して加入できる保険)
- 医療費の補助や、カフェテリアプランなど
も、「ある/ない」レベルでかまいませんのでメモしておきましょう。
ここまで整理できると、
「民間保険だけが頼りではない」という安心感が少しずつ出てきます。
Step3:リスクごとに「何が不安か」を言葉にする
家計と保障の全体像が見えてきたら、次は「どんな場面が一番不安か」を整理していきます。
5つの代表的なリスク
代表的なリスクは、次の5つに分けて考えると整理しやすくなります。
- ① 万が一(死亡)のリスク
- ② 病気やケガで長く働けなくなるリスク
- ③ 大きな病気でまとまった医療費がかかるリスク
- ④ 老後の生活資金のリスク
- ⑤ 子どもの教育費のリスク
「どのリスクが一番こわいか」を順位づけする
各リスクについて、家族で話しながら、
- 今いちばん気になっているのはどれか
- 「起きたら困る度合い」が高いのはどれか
を、ざっくり1位〜3位くらいまで決めてみてください。
たとえば、
- 1位:子どもの教育費(あと何年でいくら必要になりそうか)
- 2位:万が一のときの住宅ローン(団信でカバーされるかどうか)
- 3位:自分が働けなくなったときの生活費
といった形です。
こうして「不安」を言葉にして順位づけすることで、
「今、どこから手をつけるべきか」が自然と見えてきます。
Step4:保障と家計のバランスを決め、2026年特例はオマケにする
ここから、「保険の話」と「家計の話」をつなげていきます。
1. 「足りないところ」だけをピンポイントで探す
Step2・Step3で整理した内容を見ながら、
- すでに加入している保険や公的保障で、ある程度カバーできているリスク
- どう見ても「ここは足りない」と感じるリスク
を分けてみましょう。
ポイントは、
「全部を完璧にカバーする」ことを目指さないことです。
万が一のときに、
- 「半年〜1年くらいは生活を維持できる」
- 「教育計画が大きく崩れない」
など、「現実的なライン」を家族で決めるイメージで考えてみてください。
2. 毎月いくらなら無理なく保険料を払えるか決める
次に、Step1で出した家計の収支を見ながら、
「保険料として毎月いくらまでなら無理なく払えそうか」
を金額で決めておきます。
たとえば、
- 現状の黒字:月15,000円
- このうち、貯金に回したいのは最低10,000円
- 残り5,000円以内であれば、保険料を調整しても良さそう
といった感じです。
この「上限額」を先に決めておくことで、
説明を聞いているうちになんとなく増やしてしまうリスクを減らせます。
3. 2026年の特例は「最後にチェックする」くらいでちょうど良い
ここまで決めたうえで、最後に、
- その保険が一般生命保険にあたるのか
- 2026年時点でも契約を続けている見込みがあるか
- 結果として、2026年分は控除枠が少し広がりそうか
を確認します。
この順番で考えると、
「特例があるから保険に入る」ではなく、「必要な保険を選んだ結果、特例がオマケでついてきた」
という形にできます。
2026年の生命保険料控除は、あくまで家計と保障のバランスが整った上での“プラスアルファ”と考えるのがおすすめです。
Step5:家計全体を見てくれるFPとの付き合い方
ここまでのステップは、ご自身でもある程度進められますが、
「やっぱり一人だと不安」「第三者の目線が欲しい」という方も多いと思います。
そこで最後に、FPと一緒にこの5ステップを進めるときのポイントをまとめます。
1. 面談前に準備しておくと良いもの
- ざっくりでいいので書き出した「毎月の収支メモ」
- 現在加入している保険の一覧(証券の写真でもOK)
- 今、特に不安に感じていること(例:教育費・老後・住宅ローンなど)
- 2026年の特例について、事前に気になっている点
これらを持っていくと、FP側も全体像をつかみやすく、
「商品ありき」ではないアドバイスをしやすくなります。
2. 面談中に聞いてみたい質問例
FPとの面談では、次のような質問をしてみてください。
- 「この保険は、2026年の特例がなくても必要だと言えますか?」
- 「今の家計の状況だと、保険料は月いくらくらいまでが現実的だと思いますか?」
- 「公的保障や会社の保障を前提にすると、どこが“足りない部分”になりそうでしょうか?」
- 「保険以外の選択肢(貯金・積立など)も含めて比較するとどうですか?」
こうした質問に、丁寧に・分かりやすく答えてくれるかどうかが、
「家計全体を見てくれるFPかどうか」を見極めるポイントになります。
3. その場で決めない勇気も大事
説明を聞いて「良さそうだな」と感じても、
その場で契約まで決める必要はありません。
一度持ち帰って、
- 家族とじっくり話す
- 家計の収支メモと照らし合わせる
- 他の選択肢と比較してみる
時間を取ることで、「本当に必要だと思えるか」を冷静に判断できます。
「今だけ」「今日決めれば」といった言葉に流されず、
「うちの家計に本当に合っているか?」を軸に考えてみてください。
まとめ:5ステップをどう行動に落とし込むか
Day4では、家計の見直し5ステップをお伝えしました。
- Step1:毎月の収支をざっくり見える化する
- Step2:すでに入っている保障(民間+公的+会社)を棚卸しする
- Step3:5つのリスクごとに「何がどれくらい不安か」を言葉にする
- Step4:足りない部分だけをピンポイントで補い、特例はオマケと考える
- Step5:家計全体を見てくれるFPと一緒に、一歩ずつ整理していく
特に大事なのは、
「保険の見直し」ではなく「家計の見直し」を軸にすることです。
2026年の生命保険料控除の時限措置は、上手に使えれば確かにプラスですが、
それ以上に、
- 毎月の家計に無理がないこと
- 教育費や老後資金の土台が少しずつでも積み上がっていること
- 「もしものとき」に、どこまで備えられているかを自分で理解していること
が、長い目で見た安心につながります。
「紙とペン」やスマホのメモからで構いません。
ぜひ、今日できるところから一つずつ始めてみてください。
この記事の要点まとめ
- 2026年の生命保険料控除の時限措置に合わせて保険を選ぶ前に、まず「家計の見直し」を行うことが重要であり、保険料は長く続く固定費である一方、特例は1年だけの制度であるため、制度を軸にすると家計が苦しくなりやすい。
- 家計の見直しは、①毎月の収支の見える化、②加入中の民間保険・公的保障・会社の保障の棚卸し、③万が一・病気・働けない・老後・教育費の5つのリスクごとに不安を言葉にする、という段階を踏むことで、必要な保障とそうでない保障を切り分けやすくなる。
- 保障を検討する際は、「足りない部分」をピンポイントで補うことと、「保険料として毎月いくらまでなら無理なく払えるか」という金額上限を決めることが大切であり、そのうえで2026年特例は「結果としてオマケで活用できればラッキー」程度に位置づけるのが安全である。
- FPと相談する場合は、家計の収支メモや保険の一覧、不安に感じていることを事前に準備し、「特例がなくても必要な保険か」「公的保障を踏まえると何が足りないか」「保険以外の選択肢はないか」といった質問を通じて、家計全体を見てくれるかどうかを見極めることが重要である。
- 面談の場で即決せず、一度持ち帰って家族と話し合うことで、「今だけ」「お得」といった言葉に流されず、自分の家計に本当に合った選択かどうかを冷静に判断できる。
- 最終的に、家計の見直し5ステップ(収支の見える化・保障の棚卸し・不安の整理・バランス調整・FPとの連携)を通じて、「保険の見直し」ではなく「家計の見直し」を軸に考えることが、2026年特例に振り回されずに家計を守る一番のポイントとなる。
よくある質問(FAQ)
Q1. 家計の見直しは、どれくらい細かくやる必要がありますか?
A. 最初から完璧を目指す必要はありません。まずは「固定費」と「変動費」をざっくり分け、「家賃・保険料・教育費・サブスク」などの大きな塊だけでも見える化してみてください。何度か見直す中で、少しずつ精度が上がっていけば十分です。
Q2. 公的保障の金額まできちんと把握していないと、保険の見直しはできませんか?
A. 正確な金額が分からなくても、「遺族年金や傷病手当金といった仕組みがある」「高額療養費制度で医療費の自己負担には上限がある」といった大まかなイメージを持つだけでも、必要以上に大きな保障を契約するリスクを減らせます。詳しい金額は、FPや専門機関に相談しながら少しずつ確認していけば大丈夫です。
Q3. 2026年の特例を考慮するのは、いつ頃から始めればよいですか?
A. 特例の有無に関わらず、家計と保障のバランスは早めに整えておくのがおすすめです。そのうえで、「もともと必要だと思っていた保障を増やすタイミングが、たまたま2026年前後になりそうだ」という場合に、最後のチェックとして特例を意識する、という順番で考えると安心です。
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