BCPが「策定しっぱなし」になる本当の理由|中小企業が今すぐ見直すべき3点

BCPが「策定しっぱなし」になる本当の理由|中小企業が今すぐ見直すべき3点
はじめに
「BCPは作りました。…でも正直、棚にしまったままです。」
相談現場で、いちばん多い声です。
気持ちはすごく分かります。日々の売上、採用、資金繰り、顧客対応。やることが多すぎて、“緊急時の話”は後回しになりやすい。
でも、ひとつだけ現実があります。災害や事故、停電、システム障害、感染症…「止まる理由」は、こちらの都合を待ってくれません。
だからこそ今日は、責める話ではなく、“作ったまま”が起きる理由をほどいて、次の一歩を軽くする回にします。
目次
- BCP/ジギョケイは「作っただけ」で効くのか?
- “策定しっぱなし”が起きる3つの理由
- 今日やること:5分でできる現状チェック
- 次回予告:BCM(回す仕組み)って何?
本文
BCP/ジギョケイは「作っただけ」で効く?
BCPは、災害などで重要な業務が止まらないように、また止まっても目標の時間内に再開するための考え方です。
ここで大事なのは、「計画=紙」ではなく、動ける状態にしておくことです。
そしてジギョケイ(事業継続力強化計画)は、中小企業向けに取り組みやすい形にした“防災・減災の計画”で、認定を受ける制度があります。
作る入口としてとても良い一方、作った後に“回す”視点がないと、結局同じことが起きます。
“策定しっぱなし”が起きる3つの理由
理由1:完成した瞬間に「やった気」になる
計画が完成すると、安心感が出ます。人は安心すると、次の行動が止まりやすい。
理由2:やることが増えるのが怖い
訓練、見直し、備品、連絡網…「面倒な仕事が増える」感覚になり、後回しになります。
理由3:経営の予定表に入っていない
回らない最大理由はここです。
“年1回、見直す”と決めても、カレンダーに入っていなければ、ほぼ実行されません。
つまり答えはシンプルで、「作る」だけで終わらせない仕組みが必要です。
今日やること:5分でできる現状チェック
次の質問に、○△×で答えてみてください。
- 止めたくない仕事(売上に直結する仕事)が1つに絞れている
- その仕事が止まる原因を、3つ言える(例:停電/人が来ない/システム停止)
- 連絡手段が止まったときの代替(電話以外)がある
- 重要データのバックアップが「いつ」「どこに」あるか言える
- 半年以内に、1回でも見直した/話した
×が多いほど、悪い会社ではなく、伸びしろが大きい会社です。
次回、その伸びしろを「回る仕組み」に変えるのがBCMです。
まとめ+要約
- BCPやジギョケイは「作っただけ」だと、非常時に動けない
- “策定しっぱなし”の主因は、予定表に入っていないこと
- BCPは紙ではなく、動ける状態を作る経営の仕組み(BCM)に近い
- まずは5分チェックで現状を可視化する
FAQ(3問)
Q1. BCPとジギョケイ、どっちを先にやるべき?
A. はじめてなら、取り組みやすいジギョケイからでもOKです。ただし「作った後に回す」前提で進めるのが重要です。
Q2. 従業員がいない個人事業主でも必要?
A. 必要です。あなたが止まる=売上が止まる、になりやすいからです。「連絡手段」「データ」「代替手段」だけでも決めておくと強いです。
Q3. 見直しって、何をすればいい?
A. まずは「止めたくない仕事」と「止まる原因」と「代替策」の3点を最新化するだけで十分です。
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