BCPが回り始めた会社がやっている“たった1つの習慣”|中小企業・個人事業主のBCM事例

BCPが回り始めた会社がやっている“たった1つの習慣”|中小企業・個人事業主のBCM事例
はじめに
BCPやジギョケイが続く会社は、特別なことをしていません。
「続く形」にしているだけです。
逆に言うと、続かないのは“あなたの会社の意志が弱い”からではありません。
たいていの場合、続きにくい形になっているだけです。
今日は、よくある3つの“現実ケース”を使って、どこを直すとBCPが回り出すのか(=BCMとして機能し始めるのか)を、できるだけ分かりやすく紹介します。
読んだあとに「これならうちもできそう」と思えることが、ひとつでも増えたらOKです。
目次
- ケース1:社長が全部抱える(小規模企業あるある)
- ケース2:ITが止まる(フリーランス・オンライン業)
- ケース3:仕入れが止まる(取引先依存)
- 明日やること:10分ミーティングの型
本文
ケース1:社長が全部抱える(小規模企業あるある)
状況:連絡も判断も社長。社長が動けないと止まる。
これは珍しくありません。むしろ、起業してしばらくの間はほとんどの会社がこの状態です。
一手:“代わりに伝える人”を1人決め、連絡文をテンプレ化。
やることは大きく2つだけです。
- 「取引先への第一報」テンプレを作る(3行でOK)
- 連絡先リストをクラウド+紙で二重化する
ポイントは、「社長が連絡しないと動けない状態」を壊すこと。
非常時は社長ほど判断が増えます。連絡まで抱えると、判断が遅れます。
だからこそ、連絡を“仕組み”にしておくと、初動が速くなります。
ケース2:ITが止まる(フリーランス・オンライン業)
状況:PC故障/アカウント停止/通信障害で仕事が止まる。
フリーランスやオンライン中心の事業では、災害より先に「ITトラブル」で止まることがよくあります。
一手:「データ」「ログイン」「代替端末」を最低限整える。
おすすめはこの3点セットです。
- データは自動バックアップ(週1でもOK)
- 二段階認証のバックアップコードを保管する
- 代替端末(古いPCでも可)を“使える状態”にしておく
BCPは「止めない」「止まっても早く戻す」ためのものです。
ITが止まると、売上も連絡も止まります。だからこそ、この3点を整えるだけで“復旧の速さ”が変わります。
よくある落とし穴は、「バックアップはしているつもり」なのに、いざというときに復元できないことです。
ここは一度だけでいいので、実際に復元できるか試しておくと安心です。
ケース3:仕入れが止まる(取引先依存)
状況:主要仕入れ先が止まると納品できない。
製造業、建設、飲食、小売、クリエイティブでも「外注先が止まると止まる」ケースはよくあります。
一手:代替手段を「候補だけ」用意する(契約までは不要)。
非常時に強い会社は、契約を増やすのではなく、まず候補を持つところから始めています。
- 代替の仕入れ先(または外注候補)を2社、リスト化
- 在庫の最低ラインを決める
- “納期が遅れる時の伝え方”テンプレを作る
特に「伝え方テンプレ」は効きます。
非常時のトラブルは、事実そのものより、連絡の遅れで関係が悪化しやすいからです。
明日やること:10分ミーティングの型
ここまでの3ケースに共通するのは、「一気に完璧にしない」ことです。
BCPやジギョケイをBCMとして回すときは、次の10分ミーティングが一番おすすめです。
- もし今日、停電が起きたら?(3分)
- 連絡は誰が何を言う?(3分)
- 直すのは1つだけ(4分)
この「直すのは1つだけ」が、続くコツです。
BCPが“書類”のまま終わるか、“経営の安心”に変わるかは、ここで決まります。
まとめ+要約
- 小さい会社ほど「止まるポイント」が分かりやすく、少ない手で改善できる
- ケース別の最小改善:連絡テンプレ/ITの最低装備/代替仕入れ候補
- “直すのは1つだけ”がBCMを回すコツ。完璧を目指すほど止まるので、少しずつでOK
FAQ(3問)
Q1. 何から手を付けるのが一番効果的?
A. 「連絡」と「データ」です。非常時は情報が先に止まりやすく、連絡が遅れると信頼にも影響します。まずは“連絡テンプレ”と“バックアップ確認”から始めるのがおすすめです。
Q2. 取引先にBCPを聞くのは失礼?
A. 失礼ではありません。「非常時の連絡方法だけ確認したい」「納期が遅れそうな時の連絡ルールを揃えたい」という言い方なら、むしろ歓迎されることが多いです。
Q3. 10分ミーティングが続きません。
A. 最初から毎月やらなくて大丈夫です。半年に1回でも十分価値があります。続かなかったことを反省するより、“次はいつやるか”を予定表に入れるのが一番の近道です。
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