BCPを強くする5つのコツ|中小企業のBCM実践チェックリスト

BCPを強くする5つのコツ|中小企業のBCM実践チェックリスト

はじめに

BCP/ジギョケイが“効く会社”は、書き方よりも運用が違います。

逆に言うと、計画書が多少きれいに書けていても、回っていないと非常時には動けません。

忙しい経営者ほど、「訓練」「見直し」と聞くだけで、負担が増えるように感じるかもしれません。

でも大丈夫です。ここで紹介するのは、小さい会社でも続けられる“現実的なコツ”だけです。

今日は、BCP/ジギョケイを“強い仕組み”にするためのポイントを、5つに絞ってお伝えします。

最後にはチェックリストも入れているので、読みながら○×を付けるだけでOKです。

目次

  • コツ1:重要業務を「1つ」に絞る
  • コツ2:連絡は“文章テンプレ”で作る
  • コツ3:資金繰りの「非常用ルール」を決める
  • コツ4:外注・取引先の代替を“候補だけ”持つ
  • コツ5:見直しを「行事」にする
  • すぐ使える:BCM実践チェックリスト

本文

コツ1:重要業務を「1つ」に絞る

非常時に、全部を守るのは現実的ではありません。

だからこそ、まずは「これだけは止めたくない」を1つ決めます。

重要業務が絞れると、次のメリットが出ます。

  • 優先順位がはっきりする(迷いが減る)
  • 必要な準備が少なくなる(続きやすい)
  • 従業員や外注先に説明しやすい(協力が得やすい)

迷ったら「売上に直結する仕事」を最優先にすると決めると、ぶれにくいです。


コツ2:連絡は“文章テンプレ”で作る

非常時は、頭が回りません。言葉も出にくいです。

だからこそ、連絡は文章テンプレで用意しておくと強いです。

テンプレに入れるべき要素は、これだけです。

  • いま何が起きているか(事実だけ)
  • こちらの状況(対応中/停止/復旧見込み)
  • 次の連絡はいつするか(時間を区切る)

例(そのまま使ってOK):

現在、(停電/システム障害/交通の影響)により、業務に遅れが出ています。
影響範囲を確認中で、復旧見込みは(○時頃/本日中/明日午前)を予定しています。
次の状況連絡は(○時)にご連絡します。

こうしたテンプレがあるだけで、連絡が早くなり、信頼の傷が小さくなります。


コツ3:資金繰りの「非常用ルール」を決める

止まったときに怖いのは、売上だけではありません。

「支払いが続くこと」が、精神的にも会社の体力的にも効いてきます。

そこで、非常時の資金繰りは「迷わないためのルール」を用意します。

(1)支払いの優先順位を決める

例:

  • 人件費(生活がかかる)
  • 重要業務に必要な仕入れ
  • 固定費(家賃・リース等)
  • それ以外

(2)売上が落ちたときに止める経費を決める

例:

  • 広告を一部停止する
  • 外注を一時的に絞る
  • サブスクを棚卸しして減らす

「決めておく」だけで、非常時の判断が早くなり、消耗が減ります。


コツ4:外注・取引先の代替を“候補だけ”持つ

非常時に強い会社ほど、最初から契約を増やしません。

まずは代替候補を持つところから始めています。

おすすめは、この3点です。

  • 代替の仕入れ先/外注先を2社リスト化(連絡先も)
  • 在庫・材料・ツールの最低ラインを決める
  • 代替ルートに切り替える条件(例:納期が○日遅れたら)を決める

候補があるだけで、復旧のスピードは上がります。

そして、復旧が早いほど、顧客への影響も小さくなります。


コツ5:見直しを「行事」にする(これが一番効く)

続ける最大のコツは、意志ではなく仕組みです。

見直しを「行事」にすると、ほぼ自動で回り始めます。

例:

  • 決算月に10分、BCPを見直す
  • 防災の日の週に、連絡網テストをする
  • 新入社員が入ったら、連絡先と役割を更新する

「年1回、見直す」と決めても実行できないのは普通です。

でも、行事にして予定表に入れた瞬間、BCMは回り始めます。


すぐ使える:BCM実践チェックリスト

読みながら、○×を付けてください。×があっても問題ありません。見つかった時点で前進です。

  • □ 重要業務(止めたくない仕事)が「1つ」決まっている
  • □ その仕事が止まる原因を、最低3つ書き出している
  • □ 取引先・顧客への「第一報テンプレ」がある
  • □ 連絡先リストが最新で、クラウドと紙で二重化されている
  • □ データのバックアップが「いつ」「どこに」あるか言える
  • □ ログイン情報の緊急時対応(二段階認証など)を決めている
  • □ 代替の仕入れ先/外注候補が2つ以上ある
  • □ 非常時の支払い優先順位が決まっている
  • □ 売上が落ちたときに止める経費が決まっている
  • □ 見直し(10分でも)を「行事」として予定表に入れている

このチェックリストが半分埋まったら、かなり強いです。

全部埋める必要はありません。まずは、×の中から1つだけを次に直せばOKです。

まとめ+要約

  • BCP/ジギョケイを強くする鍵は「運用」。作った後に回すことで効き始める
  • 重要業務1つ、連絡テンプレ、非常用資金ルール、代替候補、行事化が5つのコツ
  • 特に“行事化”が最も続く。予定表に入れた瞬間からBCMが回り始める
  • チェックリストは全部埋めなくてOK。毎回1つだけ直せば前進

FAQ(3問)

Q1. 従業員に協力してもらうコツは?

A. 「訓練」と言うと身構えられやすいので、最初は「10分の確認」として短く始めるのがおすすめです。やることが少ないと協力が得やすく、続く形になりやすいです。

Q2. ジギョケイの認定メリットは?

A. 支援措置(税制・金融・補助金の加点など)が案内されています。制度は更新されることがあるため、最新の内容は公的機関の案内を確認しながら進めるのが安心です。

Q3. どの頻度で見直すべき?

A. 最低でも年1回。できれば半年に1回の“読み合わせ10分”が現実的です。まずは「行事」にして予定表に入れるところから始めると続きます。

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