BCPは作って終わりじゃない|中小企業のためのBCM30日ロードマップ

BCPは作って終わりじゃない|中小企業のためのBCM30日ロードマップ

はじめに

ここまで読んでくださった時点で、もう一歩踏み出せています。

BCPやジギョケイは、知っているだけでも差がつきます。起業したばかりの方なら、なおさらです。

最後は「結局、何からやればいいの?」を、30日で形にする手順にします。

難しいことはしません。完璧は目指しません。

“最低限だけど、効く”状態を作って、回し始めるのがゴールです。

目次

  • 30日ロードマップ(週ごと)
  • 最低限の完成ライン(これだけでOK)
  • 自社に合わせるポイント
  • 次の一歩(相談導線)

本文

30日ロードマップ(週ごと)

「忙しくて無理」と感じる方ほど、まずはスケジュールに落とすのが近道です。

1回にがっつりやるより、短く区切って進めた方が続きます。

1週目:決める(30分)

  • 重要業務(止めたくない仕事)を1つ決める
  • その仕事が止まる原因を3つ書く(例:停電/人が来ない/ネット停止)

ここで大事なのは「守りたい業務の数を増やさない」ことです。まずは1つでOKです。

2週目:整える(60分)

  • 取引先・顧客への連絡テンプレを作る
  • 連絡先リストを更新する(クラウド+紙で二重化できると強い)
  • データのバックアップを確認する(いつ・どこに・復元できるか)

この週は、成果が目に見えやすいのでおすすめです。「やった感」が出ます。

3週目:代替を用意(60分)

  • 代替の作業手順を用意する(簡単でOK。メモでもOK)
  • 代替の取引先/外注候補を2つリスト化する
  • 切り替え条件を決める(例:納期が○日遅れたら代替へ)

ここは「契約する」より「候補を持つ」が優先です。

4週目:10分テスト+1つ改善(10〜20分)

  • 「今日起きたら?」を机上で話す(10分でOK)
  • 気づいた点を1つだけ直す(次の改善を小さくする)

この「1つだけ直す」が回るコツです。

一気に完璧を目指すと止まります。小さく直すと続きます。


最低限の完成ライン(これだけでOK)

全部できなくても大丈夫です。

まずは、次の4つが揃うと“止まっても戻れる会社”に近づきます。

  • 重要業務:1つ(売上に直結する仕事がおすすめ)
  • 連絡:誰が、何を言うか(第一報テンプレ)
  • データ:どこにあるか(バックアップの場所と復元)
  • 代替:最低1つ(作業・人・取引先のどれでもOK)

これで「ゼロ」から「最低限」へ上がります。

実務では、この差がとても大きいです。


自社に合わせるポイント

BCPやBCMは、会社の規模や事業内容で“ちょうどいい大きさ”が変わります。

だからこそ、ここまでの内容も、あなたの事業に合わせて調整してOKです。

目安としては、次の問いで考えると整理しやすいです。

  • 止まったら困るのは「売上」か「信用」か「安全」か(どれが一番痛い?)
  • 止まる原因は「人」か「設備」か「IT」か「取引先」か(どれが一番弱い?)
  • 復旧の目標は「今日中」か「3日以内」か「1週間」か(現実ラインは?)

この答えが見えてくると、「何を優先すべきか」がはっきりして、やることが減ります。


次の一歩(相談導線)

ここまでの内容を読んで、「うちは何からやるべきか、分かったようで分からない」と感じた方もいると思います。

それは自然です。BCPやBCMは、業種・取引先・働き方で正解が変わるからです。

相談では、次のようなことを一緒に整理できます。

  • あなたの事業で「重要業務」は何か(1つに絞る)
  • 止まる原因の優先順位(まず潰すべき弱点)
  • 最小の準備で最大の効果が出る“やる順番”
  • 見直しを続けるための「行事化」の作り方

完璧な計画を作るより、あなたの事業に合った“続く形”を作ることが大事です。

まとめ+要約

  • BCP/ジギョケイは「作る」だけでなく、「回す」ことで“経営の安心”に変わる
  • 30日ロードマップで、最低限の形を作って、10分テストで回し始める
  • 最低限の完成ラインは「重要業務1つ/連絡/データ/代替」の4点
  • 完璧より「続く形」。毎回1つだけ直せば前進できる

FAQ(3問)

Q1. すでにBCPがある場合、何から直す?

A. 「連絡」「データ」「重要業務」の3点を最新化すると、実用度が一気に上がります。特に連絡先とバックアップは、時間が経つほどズレやすいので優先がおすすめです。

Q2. ジギョケイ認定を目指すべき?

A. 防災・減災の入口として有効です。認定の有無に関わらず、まずは“回す仕組み”まで含めて考えると、作って終わりになりにくいです。

Q3. 相談すると何が分かる?

A. あなたの業種・規模に合わせて「最低限どこまでやるか」「何を優先するか」を一緒に整理できます。やることが減り、続く形に落とし込みやすくなります。

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