65歳までの雇用確保で揉めないために:よくある失敗パターン3つと対策

65歳までの雇用確保で揉めないために:よくある失敗パターン3つと対策
Day3:よくあるつまずき実例|「制度は作ったのに揉める」会社の共通点
はじめに
制度を作ったのに、現場で揉める。
原因はだいたい「ルール不足」ではなく、気持ちのズレです。ここを先に埋めると、運用が一気にラクになります。
このDay3のゴール:「どこで揉めるか」を先に知って、揉めにくい運用の型を持ち帰ること。
目次
本文
失敗①「賃金が下がる」だけで説明がない
継続雇用(再雇用など)は、役割や勤務日数が変わることが多いです。
でも“説明がないまま”条件だけ提示すると、不信感が残ります。
会社のつまずき条件だけが先に出る
- 「これが会社の決まりだから」で終わる
- 役割の変更が説明されない
- 本人が「評価されたのでは」と感じる
結果不信感が積もる
- 話し合いがこじれる
- 現場の空気が悪くなる
- 周りの社員にも不安が広がる
対策(会社)
- 「役割・勤務日数・成果」で処遇を説明する
- 口頭だけでなく、簡単な書面で残す(誤解が減ります)
- 「下がる・上がる」より先に、何をお願いするかを共有する
対策(個人)
- 「何ができるか」を棚卸しして伝える(引き継ぎ、教育、品質管理など)
- 希望する働き方(週何日、時間帯、できる業務)を言葉にする
一言でまとめると:処遇の話は、“役割の話の後”に出すと揉めにくくなります。
失敗② 仕事があいまいで双方が不満
「とりあえず残って」になりやすく、現場は困ります。
ここで効くのが、“仕事を小さく分ける”という考え方です。大きなポジションを用意できなくても、小さな役割なら作れます。
よくある困りごと
- 本人:何を期待されているかわからない
- 現場:頼み方がわからず、結局仕事が振れない
- 管理側:成果が見えず、更新判断もしにくい
“仕事を小さく分ける”例
- 週2:新人教育だけ
- 午前のみ:品質チェックだけ
- 月末だけ:請求・在庫の締め作業だけ
対策(会社)
- 仕事を「教育」「品質」「引き継ぎ」「顧客対応」などに分解する
- 一人に何でも背負わせず、役割を限定してお願いする
- 「週何日・何時間・何をするか」を先に決める
対策(個人)
- 「フルタイムで全部」ではなく、できる役割の提案をする
- 体力面・得意不得意を正直に共有し、無理のない形にする
失敗③ 若手との摩擦を放置
年齢の問題ではなく、原因はたいてい役割の境界線がないことです。
「誰が決める人か」「誰が教える人か」「誰が担当者か」が曖昧だと、日常的に小さな衝突が起きます。
よくある摩擦のパターン
- 若手:指示が二重になる(上司と再雇用者で言うことが違う)
- 再雇用者:以前のやり方を変えられず、現場が止まる
- 管理側:気まずくて放置し、さらに悪化する
対策(会社)
- 役割の境界線を決める(決裁者/教育担当/実務担当)
- 「教える範囲」「口出ししてよい範囲」を言語化する
- トラブルが起きたら、当人同士に丸投げせず、型(面談)で整理する
対策(個人)
- 「自分は決める人ではなく、支える役割」と整理すると楽になる
- 若手のやり方を否定するより、危険や品質のポイントに絞って伝える
コツ:摩擦を「性格の問題」にしないこと。ほとんどは、役割設計で解けます。
会社側の対策テンプレ(そのまま使える)
ここからは、社内でそのまま使える「話し方・進め方」の型です。文章を難しくする必要はありません。
テンプレ①:最初の説明(面談の冒頭)
「今日は、65歳までの働き方を一緒に決めるための面談です。
会社としては、安心して働ける形を作りたいと思っています。
そのために、お願いしたい役割と、希望する働き方をすり合わせましょう。」
テンプレ②:役割の話(処遇の前に)
「まず、今の現場で特に助かるのは、次の3つです。
①引き継ぎ、②教育、③品質(ミス防止)。
この中で、どれが一番やりやすいですか?」
テンプレ③:働き方の確認(具体に落とす)
- 「週何日なら現実的ですか?」
- 「午前・午後、どちらが良いですか?」
- 「体力的に避けたい作業はありますか?」
- 「逆に、任せてほしい仕事はありますか?」
テンプレ④:処遇の説明(最後に短く)
「処遇は、役割と勤務日数(時間)に合わせて決めます。
今日決めた働き方をもとに、条件を整理してお伝えしますね。」
テンプレ⑤:揉めそうな時の整理の一言
「気持ちの問題にするとしんどいので、役割と働き方の話に戻しましょう。
“できること”と“お願いしたいこと”を一致させるのが目的です。」
働く側(個人)の対策テンプレ
働く側は、制度の細かいことよりも、次の3つを言えるだけで強くなります。
テンプレ①:希望する働き方
「週◯日、◯時〜◯時が現実的です。体力面を考えると、この形が一番続けやすいです。」
テンプレ②:できる役割(価値)
「現場では、引き継ぎと教育に一番貢献できます。ミスが出やすいポイントも共有できます。」
テンプレ③:避けたいこと(先に言う)
「体力的に◯◯の作業は長時間だと厳しいです。代わりに◯◯なら責任を持ってやれます。」
ポイント:「条件だけを求める」より、役割提案があると話が一気に前に進みます。
まとめ
揉める会社は、制度の前に「説明」と「役割設計」が不足しがちです。
次のDay4では、“制度を回すための応用テクニック(配置・賃金・評価・コミュニケーション)”を具体化します。
要約
- 揉める原因は「条件」より「説明不足」「役割のあいまいさ」
- 仕事は“小さく分ける”と運用がラクになる
- 若手との摩擦は「役割の境界線」を作ると解消しやすい
- 面談の型を用意すると、感情のズレが整いやすい
FAQ
Q1. 継続雇用にしたら賃金は必ず下げないといけませんか?
A. 必須ではありません。会社の設計次第です。ただし、役割と整合する説明がないと不満が出やすいので、「役割→働き方→処遇」の順で整理するのがおすすめです。
Q2. 希望者全員を雇うと、人が余りませんか?
A. 余るのは「仕事の切り出し」ができていない時に起きやすいです。職務を小さな役割に分解すると吸収しやすくなります。
Q3. そもそも制度対応の全体像が不安です
A. まずは「どの選択肢(定年廃止/定年引上げ/継続雇用)でいくか」を決め、就業規則と運用をセットで整えるのが近道です。Day4で“回る設計”に落とし込みます。
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