「言った言わない」「追加作業タダ」を減らす|取適法時代の発注・受注の整え方

「言った言わない」「追加作業タダ」を減らす|取適法時代の発注・受注の整え方
はじめに
取適法で目立つのは、悪意ある違反だけではありません。
むしろ多いのは、口頭・チャット・曖昧な仕様のまま進むことで、後から「無理が受注側に寄る」パターンです。
たとえば、こんな場面はありませんか。
- 発注側:「ちょっとだけ直しておいて」
- 受注側:(これ、追加作業だけど言いづらい…)
- 結果:納期が遅れる/やり直しが増える/利益が消える
取適法は、こうした「気づいたら受注側に負担が偏る」状態を減らす考え方に立っています。
Day4では、難しい契約書づくりではなく、最小限の言葉(短い文章)で整える方法を紹介します。
本文
揉めやすいのはこの3つ(仕様・検収・追加)
取引がこじれるとき、原因は「人」ではなく「曖昧さ」であることが多いです。
特に揉めやすいのは、次の3つです。
仕様が途中で変わる(でも金額は同じのまま)
「これもお願い」「ついでにここも」が積み重なると、受注側の工数(作業時間)が膨らみ、利益が消えやすくなります。
検収(OK/NG)が曖昧で、やり直しが終わらない
「どこまで直せばOKか」が見えないと、受注側は“終わらない仕事”になりやすく、発注側も納品が遅れて困ります。
「ついでにこれも」が増えて、無償が常態化
小さな追加ほど言い出しにくく、積み重なると「無料が当たり前」の空気になります。後で大きな揉め事になりやすい典型です。
取適法の文脈では、こうした“偏り”が問題視されやすくなるので、早めに整えるほどラクになります。
“少ない文章”で整える方法
「契約書を完璧に作らないと…」と思うと止まってしまいます。
でも実務では、まず短い文章を3つ置くだけで、揉めにくさが一気に上がります。
最小3点セット(これだけでOK)
- 範囲:どこまでやるか(成果物・作業範囲)
- 変更:変わったら追加相談(追加費用や納期の再調整)
- 検収:OKの基準と期限(いつまでに何をもって完了か)
ここで大事なのは、細かい法律用語ではなく、現場で同じ絵が見える言葉にすることです。
「誰が読んでも同じ意味になる文章」があるだけで、ほとんどのトラブルは未然に減ります。
例文(そのまま使えます)
本件の成果物は「A(●●)の作成」とし、含まれる作業は「B(●●)」までとします。
例文(そのまま使えます)
仕様・納期・成果物が変更になる場合は、追加作業となるため、費用または納期を再協議します。
例文(そのまま使えます)
納品後●日以内に確認いただき、修正点は一度にまとめてご連絡ください。期限までに連絡がない場合は検収完了とします。
発注側が安全になる一言テンプレ
発注側は、「追加を頼むこと」自体が悪いわけではありません。
問題になるのは、追加を追加として扱わず、受注側に黙って負担を背負わせてしまう形です。
仕様変更や追加依頼のときは、次の一言だけで揉めにくくなります。
発注側:安全になる一言
「それは追加になるので、費用(または納期)を一度相談させてください」
コツ:この一言が言えると、受注側は「言い出していいんだ」と感じます。
結果として、納期遅延・品質低下・不満の蓄積が減り、長期的に発注側も得をします。
受注側が自分を守る一言テンプレ
受注側は、追加費用の話をすると「面倒な人と思われそう」で言えなくなることがあります。
でも、追加を無料で抱え続けると、結局は品質や納期に影響が出て、関係が壊れやすくなります。
断るより先に、こう返すと角が立ちにくいです。
受注側:自分を守る一言
「追加作業になるので、金額(または納期)を調整してもよいですか?」
この言い方は「嫌です」ではなく「条件調整」に変わるので、対立になりにくいです。
取適法時代は、こうした“条件を整える言葉”を持っている人ほど強いです。
今日からできる小さな整え方(両者共通)
- 追加依頼が出たら、まず「追加相談」に切り替える(費用 or 納期)
- 修正依頼は「一度にまとめて」もらう(無限ループを防ぐ)
- 範囲・変更・検収の3点を、メールやチャットの冒頭に固定する
まとめの一言:
取適法対応は「ルールを守るため」だけではなく、取引を長く続けるための土台づくりです。
曖昧さを減らすほど、発注側も受注側もラクになります。
まとめ+要約
- 取適法時代は「曖昧運用」が一番事故りやすい
- 仕様・検収・追加作業の3点を短く残すだけで揉めにくくなる
- 追加依頼は“追加相談”に切り分ける一言テンプレが効く
FAQ(3問)
Q1. チャット発注でも大丈夫?
A. 大事なのは「後から見て条件が分かる」ことです。 チャットでも、範囲・金額・納期・変更ルール(追加相談の扱い)が追える形で残っていれば、実務は回しやすくなります。 逆に、口頭だけ・断片的なチャットだけだと「言った言わない」が起きやすいので、要点だけはまとめて残すのがおすすめです。
Q2. “追加費用の話”をすると嫌がられます
A. 追加を追加として扱わない方が、後で関係が壊れます。 「追加になるので、費用(または納期)を相談させてください」と“条件調整”の形にすると、感情の衝突が減ります。 テンプレ化しておくと、毎回の言いにくさも下がります。
Q3. フリーランスも取適法の影響がありますか?
A. 取引の形や基準に当たれば影響があります。 フリーランスでも、相手が発注側としての基準に当たる場合は、支払い・価格交渉・不当な負担の押し付けといった点で影響を受けます。 まずは「範囲・変更・検収」を短く残すところから始めると、すぐ効果が出ます。
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