地震発生直後に会社が行うことは?混乱を減らす初動対応

地震発生直後に会社が行うことは?混乱を減らす初動対応

はじめに

大きな揺れが起きたとき、職場ではさまざまなことが同時に起こります。

従業員が机の下に身を隠す。
商品や書類が床に落ちる。
電話がつながらない。
外出中の従業員の状況が分からない。
家族を心配して帰ろうとする人が出る。

このような場面で、経営者や総務担当者がその場ですべてを考え、正しい判断を続けるのは困難です。

だからこそ、発生前に「行動の順番」を決めておく必要があります。

1.揺れている間に行うこと

強い揺れを感じたら、最初に行うことは身の安全の確保です。

火を消す、荷物を持つ、外へ飛び出すといった行動よりも、頭と体を守ることを優先します。

気象庁は、緊急地震速報を見聞きしたときや揺れを感じたときは、慌てずに身の安全を確保するよう案内しています。 屋外ではブロック塀、看板、割れたガラスなどにも注意が必要です。

参考: 気象庁「地震から身を守るために」

職場では、次の行動を共有しておきます。

  • 机の下や安全な場所に入る
  • 頭をかばんやヘルメットで守る
  • 窓、棚、コピー機から離れる
  • エレベーターを使用しない
  • 慌てて階段や出口へ集中しない
  • 揺れが収まるまで無理に移動しない

2.揺れが収まった直後の確認

揺れが収まったら、次の順番で確認します。

第一に、人の安全

けが人がいないかを確認し、必要に応じて応急手当を行います。

第二に、火災や危険物

火災、ガス漏れ、薬品の漏れ、機械の異常などを、安全を確保したうえで確認します。

第三に、避難経路

階段や出口が使えるか、ガラスや棚で通路がふさがれていないかを確認します。

第四に、建物の状態

大きなひび、天井の落下、扉の変形などがある場合は、建物内にとどまることが危険な可能性があります。

自分たちだけで安全と判断せず、行政や管理会社などからの情報も確認します。

3.安否確認の方法

安否確認は、「全員へ電話をかける」という方法だけではうまくいかない可能性があります。

通信が集中すると、電話がつながりにくくなることがあるためです。

複数の方法を決めておきましょう。

  • 安否確認システム
  • メール
  • 社内チャット
  • 災害用伝言サービス
  • 部署ごとの連絡網
  • 決められた時刻に状況を報告する方法

確認する項目は、複雑にしすぎないことが大切です。

例えば、次の五つに絞ります。

  1. 本人は無事か
  2. 家族は無事か
  3. 現在地はどこか
  4. 出社や移動が可能か
  5. 支援が必要か

4.帰宅させるか、待機させるか

大きな地震の直後、従業員が一斉に帰宅すると、道路や駅周辺が混雑し、転倒や火災などに巻き込まれる可能性があります。

一方で、会社にとどまる場合は、水、食料、簡易トイレ、毛布、安全な待機場所が必要です。

そのため、会社は事前に判断基準を決めておきます。

  • 交通機関の運行状況
  • 周辺の火災や建物被害
  • 従業員の自宅までの距離
  • 夜間、悪天候、猛暑、寒さ
  • 家族の支援が必要か
  • 会社に安全な待機場所があるか

全員に同じ判断を求めるのではなく、一人ひとりの事情を確認する必要があります。

5.顧客と取引先への連絡

災害時には、顧客や取引先も情報を必要としています。

しかし、被害状況が分からない段階で「通常どおり営業できます」と伝えるのは危険です。

まずは確認できている事実だけを伝えます。

  • 従業員の安全確認を進めている
  • 営業を一時停止している
  • 電話やメールがつながりにくい
  • 次回の情報更新時刻
  • 緊急連絡先
  • 納品や予約への影響

「分からないことを分からないまま伝える」ことも、誠実な情報提供です。

6.初動対応表を作る方法

初動対応表には、発生後の時間に沿って行動を記載します。

発生直後

  • 身の安全を守る
  • 火や機械から離れる
  • 揺れが収まるまで移動しない

揺れが収まった後

  • けが人を確認する
  • 火災や危険物を確認する
  • 避難経路を確認する
  • 災害対策責任者へ報告する

その後

  • 従業員の安否を確認する
  • 情報を収集する
  • 待機、避難、帰宅を判断する
  • 顧客や取引先へ連絡する
  • 被害状況を記録する

内閣府の企業向け資料では、経営層向け、一般社員向け、携帯用など、使う人に合わせたマニュアルを用意し、電子データだけでなく紙でも保管することが大切だとされています。

参考: 内閣府「企業の防災対策・事業継続に関する資料」

まとめ+要約

地震発生直後の会社対応では、次の順番が重要です。

  1. 身の安全を守る
  2. けが人、火災、危険物を確認する
  3. 避難経路と建物の状態を確認する
  4. 従業員の安否を確認する
  5. 待機、避難、帰宅を判断する
  6. 顧客や取引先へ確認済みの情報を伝える

災害時は、電話やインターネットが通常どおり使えるとは限りません。

複数の連絡方法を決め、紙の連絡先や簡単な初動対応表も用意しておきましょう。

FAQ

Q1.地震が起きたら、すぐに外へ避難すべきですか?

建物や周辺の状況によって異なります。 揺れている最中に慌てて外へ出ると、ガラスや看板などの落下物でけがをする可能性があります。 まず身を守り、揺れが収まってから安全を確認します。

Q2.安否確認は電話で行えばよいですか?

電話だけに頼らず、メール、チャット、安否確認システム、災害用伝言サービスなど複数の方法を準備しましょう。

Q3.初動マニュアルは詳しく作るべきですか?

詳しすぎるマニュアルは、緊急時に読み切れない場合があります。 最初に行う行動を一枚にまとめ、詳細な手順書とは分けておくと使いやすくなります。

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