「社長は知っている。でも従業員は知らない」では守れない。災害対策で見落としやすい“共有”の問題

はじめに

会社には防災マニュアルがある。

避難場所も決まっている。

非常食も用意している。

それでも、従業員に聞いてみると、

「非常食がどこにあるかわかりません」

「避難場所は……たぶん近くの学校です」

「災害時は社長から連絡が来ると思います」

そんな答えが返ってくることがあります。

家庭でも同じです。

防災用品を準備した本人しか、置き場所を知らない。

避難所を家族で確認したことがない。

これでは、準備していても十分とはいえません。

防災で意外に難しいのは、 準備よりも共有 なのです。

目次

  1. なぜ周知はうまくいかないのか
  2. 一度説明しただけでは覚えられない
  3. 家庭で共有したいこと
  4. 会社で共有したいこと
  5. 防災訓練を大げさに考えない

1.なぜ周知はうまくいかないのか

一番の理由は簡単です。

普段使わない情報だからです。

人は、毎日使う情報は自然に覚えます。

しかし、

「災害時の集合場所」

「非常用備蓄の保管場所」

「安否確認の方法」

などは、普段ほとんど使いません。

そのため、一度説明しただけでは忘れてしまいます。

これは意識が低いからではありません。

人間として自然なことです。

だからこそ防災は、

「一度教える」ではなく「繰り返し確認する」

ことが重要になります。

2.一度説明しただけでは覚えられない

会社で新しいシステムを導入するとき、一度説明しただけで全員が使いこなせるでしょうか。

おそらく難しいでしょう。

災害対応も同じです。

マニュアルを配った。

朝礼で説明した。

社内メールで送った。

それだけでは不十分な場合があります。

実際に、

「災害が起きたら最初に何をする?」

と質問してみる。

これだけでも理解度がわかります。

3.家庭で共有したいこと

家族では最低限、次の内容を共有しておきましょう。

  • 自宅周辺の避難場所
  • 危険な場所
  • 家族が離れているときの集合場所
  • 連絡方法
  • 備蓄品の置き場所
  • 持ち出し用品の場所
  • ペットがいる場合の避難方法

内閣府も、防災週間の啓発項目として、 家族や事業所における安否確認方法や避難時の行動確認を挙げています。 内閣府 防災週間

特に重要なのは、

家族全員が知っていること。

一人だけ理解していても、その人が不在なら役に立たない可能性があります。

4.会社で共有したいこと

会社では、もう少し具体的に考えます。

災害直後

  • 身の安全をどう守るか
  • どこへ避難するか
  • 来客をどう誘導するか

災害後

  • 安否確認の方法
  • 出社するのか、自宅待機なのか
  • 誰から指示が出るのか

事業再開

  • 誰が何を確認するか
  • 重要な取引先への連絡
  • 顧客への案内
  • システムやデータの確認

ここまで具体的にしておくと、いざというとき迷いにくくなります。

5.防災訓練を大げさに考えない

「防災訓練をやりましょう」

と言われると、

「全社員を止めて半日やるのは難しい」

と思う経営者もいるでしょう。

でも、大がかりな訓練だけが防災訓練ではありません。

例えば朝礼の10分間で、

「今日大地震が起きたら、まず何をする?」

と話し合うだけでも意味があります。

毎月1テーマなら、

1月:避難経路

2月:安否確認

3月:備蓄

4月:データ

というように分けられます。

大切なのは、一度で完璧にすることではありません。

思い出す機会を繰り返しつくることです。

まとめ+要約

災害への備えは、社長や防災担当者だけが知っていても十分ではありません。

家庭なら家族全員。

会社なら従業員全員。

それぞれが、

「災害が起きたとき、自分はどう行動するか」

を理解している状態を目指すことが大切です。

一度の説明で終わらせず、短時間でも定期的に確認する。

それが、実際に動ける組織・家庭につながります。

FAQ

Q1.防災訓練は年1回で十分ですか?

年1回の訓練に加えて、短い確認を定期的に行うと忘れにくくなります。 朝礼やミーティングを活用する方法もあります。

Q2.家族がバラバラの場所にいるときはどうすればよいですか?

連絡方法だけでなく、 「連絡できない場合はどうするか」 「どこを集合場所にするか」 まで決めておくことが重要です。

Q3.社員に防災を自分ごととして考えてもらう方法はありますか?

一方的な説明より、 「今ここで地震が起きたらどうしますか?」 という問いかけから始めると考えやすくなります。

📩 「従業員への防災周知がなかなか進まない」 「家族や社員と何を共有すればよいかわからない」という方は、 LINEで相談する から気軽にご相談ください。