同一労働同一賃金で慌てない会社へ|中小企業経営者が今から準備する3つのこと

同一労働同一賃金で慌てない会社へ|中小企業経営者が今から準備する3つのこと
はじめに
ここまで4日間、
同一労働同一賃金について見てきました。
制度名だけを見ると、
「人件費が上がる話」
「また会社の負担が増える話」
と感じるかもしれません。
しかし見方を少し変えると、
今回の見直しは、
会社の給与制度を整理する機会
でもあります。
社員から、
「なぜこの給料なのですか?」
「なぜ私はこの手当をもらえないのですか?」
と聞かれたとき、
経営者自身が説明できる会社。
これは採用や定着という面でも大きな意味を持ちます。
目次
まず、5日間のポイントを整理しましょう
同一労働同一賃金は、
正社員とパートの給与を強制的に同額にする制度ではありません。
大切なのは、
仕事内容、
責任、
配置変更の範囲、
能力、
経験、
そして各待遇の目的などに照らして、
待遇差が不合理なものになっていないか
を確認することです。
そして2026年10月1日には、 ガイドラインや雇用管理に関するルールが改正されます。
準備① 待遇差を「見える化」する
最初にやることは、
給与を上げることでも、
就業規則を全部書き換えることでもありません。
まず現状を見ることです。
正社員とパートで、
基本給はどう違う?
賞与は?
退職金は?
家族手当は?
住宅手当は?
休暇は?
福利厚生は?
これを一覧にしてください。
見えないものは改善できません。
逆に見えるようにすれば、
「ここは説明できる」
「ここは理由が弱い」
という判断がしやすくなります。
準備② 社員の「なぜ?」に答えられるようにする
これから経営者にとってさらに重要になるのが、
説明する力
です。
従業員から、
「なぜ正社員にはこの手当があるのに、私はないのですか?」
と聞かれたとします。
そのとき、
「会社の決まりだから」
で終えるのではなく、
制度の目的、
仕事の違い、
責任の違いなどを踏まえて説明できる状態を作る。
これが大切です。
2026年10月以降は、 待遇差について説明を求められた場合の説明方法もより具体的になります。
準備③ 「給与+社会保険料」で人件費を見る
待遇を見直すと、
当然ながら経営者は、
「いくら費用が増えるのか」
を考えなければいけません。
たとえば、
時給を上げる。
手当を新設する。
勤務時間を延ばす。
そうすると、給与そのものだけではなく、 場合によっては社会保険への加入状況にも影響します。
特に短時間労働者に対する健康保険・厚生年金の適用範囲は拡大が続いています。
2026年8月現在は一定の条件を満たす51人以上の企業等が企業規模要件となっていますが、 2027年10月から36人以上、2029年10月から21人以上、2032年10月から11人以上 へと段階的に拡大される予定です。
参考: 日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大」
だからこそ、
「今月いくら上がるか」
だけではなく、
これから数年間の人件費を考える
必要があります。
制度対応を「会社を良くする機会」にする
待遇制度を見直すことには、もう一つメリットがあります。
それは、
誰が何をすれば評価されるのかが明確になる
ことです。
仕事内容。
責任。
能力。
評価。
給与。
この関係が整理されれば、
社員側も、
「なぜ自分はこの給料なのか」
「どうなれば給与が上がるのか」
を理解しやすくなります。
つまり同一労働同一賃金への対応は、
単なる法律対応ではなく、
会社の人事制度を分かりやすくする機会
にもできます。
小さな会社ほど、
制度を複雑にする必要はありません。
大切なのは、
「誰が見ても分かる」
「社長が説明できる」
状態を作ることです。
まとめ+要約
2026年10月1日から、 同一労働同一賃金に関するガイドラインや雇用管理のルールが改正されます。
中小企業経営者が今から準備したいことは、大きく3つです。
1.正社員とパート等の待遇差を一覧にする。
2.その差がなぜあるのかを説明できるようにする。
3.給与だけでなく社会保険料まで含めた人件費を確認する。
「法律が変わったから慌てて対応する」のではなく、
自社の給与や雇用の仕組みを整理するタイミング
と考えてみてください。
今まで曖昧だった給与の基準が整理されれば、 会社にも従業員にも分かりやすい制度へ変えていくことができます。
FAQ
Q1. 同一労働同一賃金は2026年10月から始まるのですか?
いいえ。 同一労働同一賃金に関する法律上のルールはすでに施行されています。 中小企業にも2021年4月1日から適用されています。 2026年10月1日は、ガイドラインや雇用管理に関するルールが改正される日です。
Q2. 正社員とパートの待遇差をなくせばいいのでしょうか?
単純にすべて同じにするという考え方ではありません。 仕事内容や責任などを踏まえて、 不合理な待遇差になっていないかを確認することが重要です。
Q3. 社会保険も一緒に考えた方がいいですか?
はい。 同一労働同一賃金と社会保険は別制度ですが、 賃金や勤務条件を変更すると結果的に社会保険への加入や会社負担に影響する場合があります。 人件費として一緒に試算すると経営判断がしやすくなります。
📩 「うちの場合、どこまで見直せばいい?」 「社員とパートの給与差、社会保険料まで含めて整理したい」という方は、 LINEで相談する から気軽にご相談ください。