改正物流効率化法への対応が遅れる運送会社の共通点と今すぐ変えるべきこと

はじめに

改正物流効率化法への対応で、すでに動き始めている会社があります。

一方で、「うちはまだ関係ない」「荷主から言われてからでいい」「法律の話は大手だけ」と考えている会社もあります。

しかし、対応が遅れる会社には共通点があります。

それは、現場の問題を数字で説明できないことです。

この記事では、対応が遅れる運送会社の共通点と、今からでも間に合う改善の進め方を解説します。

対応が遅れる会社の共通点

対応が遅れる会社には、いくつかの共通点があります。

共通点1:法改正を管理部門だけの話にしている

「法律だから事務所で確認しておいて」
「役所の資料は難しいから後で見る」
「現場には関係ない」

このように考えると、対応が進みません。

改正物流効率化法の本質は、現場の運び方を変えることです。

荷待ち、荷役、積載効率は、すべて現場で起きています。

つまり、管理部門だけでなく、配車担当、営業担当、ドライバー、現場管理者が一緒に考える必要があります。

共通点2:荷主ごとの実態を把握していない

荷待ちが多い荷主。
荷卸しに時間がかかる拠点。
検品が細かい納品先。
急な時間変更が多い案件。

こうした情報は現場にあります。

しかし、社内で整理されていないと、改善につながりません。

「A社は大変」
「Bセンターは時間がかかる」

このような感覚だけでは、荷主との話し合いで弱くなります。

共通点3:荷主に遠慮して言えない

運送会社の多くは、荷主との関係を大切にしています。

そのため、待機時間や荷役負担について言い出しにくいことがあります。

しかし、これからは荷主側にも物流効率化への対応が求められます。

すべての荷主や連鎖化事業者には、積載効率の向上、荷待ち時間の短縮、荷役等時間の短縮などについて努力義務が示されています。

つまり、運送会社が現場の情報を出すことは、荷主を責めることではありません。

荷主の法対応を助けることにもなります。

「うちは対象外」と思い込むリスク

特定貨物自動車運送事業者等の基準は、保有車両台数150台以上とされています。

そのため、「うちは150台もないから関係ない」と思う会社もあるでしょう。

しかし、ここで止まるのは危険です。

なぜなら、取引先の荷主が特定荷主に該当する可能性があるからです。

特定荷主や特定連鎖化事業者の基準は、取扱貨物重量9万トン以上です。

荷主が対象になると、運送会社にも次のような相談や依頼が来る可能性があります。

  • 荷待ち時間を教えてほしい
  • 荷役時間を記録してほしい
  • 改善案を出してほしい
  • 定期報告に使う情報を整理してほしい
  • 現場ごとの課題を共有してほしい

つまり、自社が直接対象外でも、取引の中で対応が必要になるということです。

荷主から見られるポイント

今後、荷主は運送会社を見るときに、価格だけでなく、次のような点も見るようになる可能性があります。

  • 荷待ち時間を記録しているか
  • 荷役負担を説明できるか
  • 改善提案ができるか
  • ドライバーの労務管理ができているか
  • 共同で効率化を進められるか

これまでは、「安く運べる会社」が選ばれやすかったかもしれません。

しかしこれからは、「改善に協力できる会社」「現場データを出せる会社」「法対応を理解している会社」が信頼されやすくなります。

早く動く会社が有利になる理由

早く動く会社には、3つのメリットがあります。

1. 荷主との交渉材料が増える

荷待ちや荷役の記録があれば、運賃や附帯作業費の交渉に使えます。

「この作業には毎回40分かかっています」
「この荷卸しはドライバー負担が大きいです」
「改善できない場合は別料金が必要です」

このように、数字をもとに話せます。

2. ドライバーを守れる

待機や手作業が多い現場を放置すると、ドライバーの不満がたまります。

改善に動いている会社は、ドライバーから見ても安心感があります。

「会社が現場を見てくれている」と感じてもらえることは、定着にもつながります。

3. 荷主から相談される会社になれる

法対応に不安を持っている荷主もいます。

そのとき、運送会社側から改善データや提案を出せると、単なる下請けではなく、物流改善のパートナーとして見られます。

これは大きな差になります。

今日から変えるべき社内の動き

まずは、社内で小さな会議を開いてください。

参加者は、経営者、配車担当、営業担当、ドライバー代表が理想です。

話し合うテーマは、次の3つで十分です。

  1. 荷待ちが多い荷主はどこか
  2. 荷役負担が重い現場はどこか
  3. 改善を相談しやすい荷主はどこか

この3つを整理するだけで、最初の一歩になります。

次に、主要荷主ごとに簡単な改善メモを作ります。

荷主 課題 現場の声 改善案
A社 午前中の待機が長い 受付後30分以上待つ 予約時間の分散
B社 バラ卸しが多い 作業負担が重い パレット化の相談
C社 検品に時間がかかる 納品後の確認待ち 事前出荷情報の共有

このように整理すると、荷主との話し合いがしやすくなります。

まとめ

改正物流効率化法への対応が遅れる会社は、法律を「自社には関係ない」と考えがちです。

しかし、物流はつながっています。

荷主が対応を始めれば、運送会社にも情報提供や改善協力が求められます。

大切なのは、難しい制度を完璧に理解することではありません。

まずは、現場の問題を数字とメモで見える化することです。

それが、荷主との信頼、ドライバーの定着、取引条件の改善につながります。

FAQ

Q1. 荷主に改善を求めると仕事を失うのでは?

伝え方次第です。「改善しないなら無理です」ではなく、「法対応にもつながるので一緒に改善しませんか」と伝えることが大切です。

Q2. どの荷主から記録を始めるべきですか?

取引量が多い荷主、待機が長い荷主、ドライバーの不満が多い現場から始めると効果が出やすいです。

Q3. 改善提案はどこまで作ればいいですか?

最初は簡単で構いません。「何が問題か」「どれくらい時間がかかるか」「どう変えれば短縮できそうか」の3点を整理しましょう。

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