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2026年8月から何が変わる?高額療養費制度改正のポイント

2026年8月から何が変わる?高額療養費制度改正のポイント

※本記事は2026年7月19日時点の厚生労働省・協会けんぽの公表情報をもとに作成しています。 制度の利用条件や実際の支給額は、年齢、所得、加入している健康保険、治療内容などによって異なります。

はじめに

「高額療養費制度が改正される」と聞くと、多くの方が最初に感じるのは不安かもしれません。

「負担が大きく増えるのでは」
「今までどおり制度を使えるのか」
「長期治療をしている人はどうなるのか」

今回の見直しでは、月ごとの自己負担限度額が上がる区分がある一方、 長期治療を受ける方への配慮として、年間上限が新設されます。

単純に「負担増」または「負担減」とまとめることはできません。

治療期間、所得区分、医療費のかかり方によって影響が変わるからです。

改正は2段階で行われる

今回の高額療養費制度の見直しは、一度にすべて変わるのではなく、 2段階で行われます。

第1段階:2026年8月から

  • 月ごとの自己負担限度額を見直す
  • 新たに年間上限を設ける
  • 70歳以上の外来の上限額を一部見直す

第2段階:2027年8月から

  • 所得区分をさらに細かく分ける
  • 所得に応じた負担をより細かく設定する
  • 一部の低所得者について、多数回該当額を引き下げる

協会けんぽは、2026年8月から月額負担上限を見直し、 2027年8月から所得区分を細分化すると案内しています。

参考: 協会けんぽ「高額療養費」

70歳未満の主な変更

70歳未満の方について、2026年8月から2027年7月までの主な月額上限は、 次のように変わります。

標準報酬月額83万円以上

改正前:

252,600円+一定の計算額

改正後:

270,300円+一定の計算額

年間上限は168万円です。

標準報酬月額53万~79万円

改正前:

167,400円+一定の計算額

改正後:

179,100円+一定の計算額

年間上限は111万円です。

標準報酬月額28万~50万円

改正前:

80,100円+一定の計算額

改正後:

85,800円+一定の計算額

年間上限は53万円です。

標準報酬月額26万円以下

改正前:

57,600円

改正後:

61,500円

年間上限は原則53万円です。

住民税非課税区分

改正前:

35,400円

改正後:

36,900円

年間上限は29万円です。

参考: 協会けんぽ「高額療養費」

このように、多くの区分で月ごとの限度額は上がります。

ただし、この金額だけを見て 「年間の負担も必ず増える」と考えるのは早計です。

今回の改正では、新たに年間上限が導入されるからです。

新しく設けられる「年間上限」とは

これまでの高額療養費制度は、基本的に月ごとの負担を基準としていました。

しかし、治療内容によっては、毎月の医療費が月額上限に少し届かない状態が 長く続くことがあります。

この場合、従来の仕組みでは 「毎月、高額な負担が続いているのに、多数回該当にならない」 ということがありました。

そこで、2026年8月からは、8月から翌年7月までの12か月を一つの期間として、 所得区分ごとの年間上限が設けられます。

参考: 協会けんぽ「高額療養費制度の見直しについて」

月ごとの自己負担額を積み上げ、年間上限を超えた場合は、 超過分について支給を受けられる仕組みです。

厚生労働省は、年収約370万~770万円の区分について、 従来は年間約57万3,000円の負担になる例が、 年間上限53万円によって約4万3,000円軽くなるケースを示しています。

また、極めて高額な医療を受けたケースでは、 約76万7,000円から53万円となり、 約23万7,000円軽くなる例も示されています。

参考: 厚生労働省「高額療養費制度の見直しに関する資料」

ただし、これは厚生労働省が示した一定条件での例です。 すべての人が同じ金額になるわけではありません。

「多数回該当」は原則として維持

多数回該当とは、直近12か月の間に、高額療養費の対象となった月が 3回以上あった場合、4回目から自己負担限度額がさらに低くなる仕組みです。

参考: 協会けんぽ「高額療養費」

たとえば、標準報酬月額28万~50万円の区分では、 通常の限度額が改正後に上がりますが、 多数回該当の44,400円は維持されます。

これは、がん治療や難病治療など、 長期間にわたって高額な医療を受ける方の負担に配慮したものです。

ただし、転職や退職などで加入する健康保険が変わると、 過去の多数回該当の回数が引き継がれない場合があります。

協会けんぽでは、国民健康保険や健康保険組合などから協会けんぽへ変わった場合、 以前の回数は原則として通算されないと案内しています。

参考: 協会けんぽ「高額療養費」

転職、退職、扶養への変更を予定している方は、 事前に確認しておきたいポイントです。

短期治療と長期治療では影響が異なる

今回の改正は、すべての人に同じ影響が出るわけではありません。

短期間に高額な治療を受ける方

1回または数回の入院や手術で治療が終わる場合、 月ごとの限度額引き上げの影響を受けやすくなります。

年間上限に達しなければ、改正前より負担が増える可能性があります。

長期間にわたり治療を受ける方

多数回該当に該当する方は、多数回該当額が原則維持されます。

また、毎月の負担が月額上限に届かず、 多数回該当になりにくかった方は、 新しい年間上限によって負担が軽くなる場合があります。

つまり、今回の制度改正を理解するには、

  • 「月ごとの限度額が上がるか」
  • 「年間上限の対象になるか」
  • 「多数回該当に当たるか」
  • 「どのくらいの期間、治療が続くか」

を合わせて見る必要があります。

まとめ+要約

2026年8月から、多くの所得区分で高額療養費制度の 月ごとの自己負担限度額が上がります。

一方で、8月から翌年7月までを対象とする年間上限が新設されます。

また、長期治療を受ける方が利用する多数回該当の金額は、 原則として維持されます。

短期間の治療では負担が増える可能性がある一方、 長期間の治療では年間上限によって負担が軽くなる場合があります。

自分への影響を確認するときは、月額上限だけでなく、 年間上限と多数回該当を合わせて確認することが大切です。

FAQ

Q1.2026年8月から、全員の医療費負担が増えるのですか?

全員ではありません。月ごとの限度額が上がる区分はありますが、 新しい年間上限によって、長期治療の負担が軽くなる場合もあります。

Q2.年間上限の1年間は、1月から12月ですか?

いいえ。新しい年間上限では、原則として8月から翌年7月までの 12か月が対象期間です。

Q3.多数回該当の金額も上がりますか?

2026年8月の見直しでは、多数回該当の金額は原則として維持されます。 2027年8月には、一部の低所得者区分で引き下げが予定されています。

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