BCPを作ったのに現場で使えない会社に共通する5つの原因

BCPを作ったのに現場で使えない会社に共通する5つの原因
はじめに
「BCPはあります」
「ジギョケイも認定されています」
「書類はちゃんと保管しています」
それでも、非常時に現場が動けない会社があります。
なぜでしょうか。
理由はシンプルです。
BCPが、現場の行動に落とし込まれていないからです。
経営者や管理者は知っている。
でも、職員は知らない。
計画には書いてある。
でも、実際にやったことがない。
作成時は合っていた。
でも、今の状況とはズレている。
このような状態では、BCPは「あるだけ」になってしまいます。
現場で使えないBCPに共通する原因
BCPを作ったのに使えない会社には、いくつかの共通点があります。
1つ目は、作成担当者だけで完結していることです。
外部の専門家や管理者が中心となって作成し、現場職員への共有が十分でないケースです。この場合、書類としては整っていても、現場は「自分たちが何をすればいいのか」が分かりません。
2つ目は、内容が抽象的すぎることです。
「安全を確保する」
「速やかに連絡する」
「必要に応じて対応する」
このような表現だけでは、非常時に動けません。
誰が、誰に、どの方法で、どの順番で、何分以内に行うのか。
ここまで決めておく必要があります。
3つ目は、優先順位が決まっていないことです。
非常時には、すべての業務を普段通りに行うことは難しくなります。だからこそ、どの業務を続け、どの業務を一時的に止めるのかを決めておく必要があります。
書類中心で作ると失敗しやすい理由
BCP作成でよくある失敗は、「提出できる書類」を作ることが目的になってしまうことです。
もちろん、書類として整えることは大切です。
しかし、書類があることと、現場で使えることは別です。
たとえば、連絡網があっても、職員がその存在を知らなければ使えません。
避難場所が書いてあっても、実際に移動したことがなければ不安が残ります。
備蓄リストがあっても、誰も場所を知らなければ取り出せません。
BCPは「読むもの」ではなく、「動くためのもの」です。
その視点がないと、作っただけで満足してしまいます。
介護現場で起こりやすいズレ
介護事業者では、BCPと現場のズレが特に起こりやすいです。
なぜなら、利用者の状態が日々変わるからです。
昨日まで歩けていた人が、転倒後に移動介助が必要になる。
感染症に弱い利用者が増える。
送迎ルートに危険箇所ができる。
職員の退職や入職で、夜勤や訪問体制が変わる。
この変化がBCPに反映されていないと、計画は現場と合わなくなります。
さらに介護事業では、災害時でもサービスの継続が求められる場面が多くあります。厚生労働省は、介護サービスが安定的・継続的に提供されることの重要性を示し、BCP作成や机上訓練の資料を公開しています。
つまり、介護BCPは「現場の変化に合わせて更新するもの」と考える必要があります。
使えるBCPに変えるための改善策
使えないBCPを、使えるBCPに変えるためには、まず現場の声を入れることです。
管理者だけでなく、実際に利用者対応をしている職員、送迎担当、事務担当、夜勤職員、訪問職員などに確認します。
「この手順で本当に動けるか」
「この連絡方法で間に合うか」
「この備蓄品はどこにあるか」
「この優先順位で問題ないか」
このように確認すると、計画の弱点が見えてきます。
次に、小さな訓練を行います。
大きな訓練でなくても構いません。
「停電したらどうするか」
「職員が半分しか来られなかったらどうするか」
「感染者が出たら最初に誰へ連絡するか」
このようなテーマを1つ選んで、会議で話し合うだけでも立派な訓練です。
最後に、改善した内容を記録します。
BCPは、改善の履歴が残っていることで信頼性が高まります。
「いつ見直したか」
「何を変えたか」
「なぜ変えたか」
これを残しておくことで、次の見直しもしやすくなります。
まとめ+要約
BCPを作ったのに現場で使えない会社には、共通点があります。
作成担当者だけで完結している。
内容が抽象的。
優先順位が曖昧。
職員に共有されていない。
訓練や見直しがされていない。
特に介護事業者では、利用者や職員体制が変わりやすいため、BCPを定期的に見直すことが欠かせません。
使えるBCPにするためには、現場の声を入れ、小さな訓練を行い、改善を記録することです。
BCPは、作って終わりではありません。
現場と一緒に育てることで、初めて会社を守る力になります。
FAQ
Q1. BCPを職員全員に読ませる必要はありますか?
全員が細かい内容をすべて覚える必要はありません。ただし、自分が非常時に何をするのか、誰に連絡するのか、どこを確認するのかは共有しておく必要があります。
Q2. 現場の声を入れると内容がまとまらなくなりませんか?
最初は意見が多く出るかもしれません。しかし、それは現場で起きる問題が見えている証拠です。すべてを反映する必要はありませんが、重要な気づきは計画に入れるべきです。
Q3. 訓練はどのように始めればよいですか?
最初は机上訓練がおすすめです。「大地震が起きた」「感染者が出た」「職員が出勤できない」など、1つの場面を決めて、対応を話し合うだけでも始められます。
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