健康経営優良法人を目指すなら何から始める?中小企業のための最初の一歩

健康経営優良法人を目指すなら何から始める?中小企業のための最初の一歩
はじめに
ここまで、
- 健康経営優良法人とは何か
- どんなメリットがあるのか
- どんなことをすればいいのか
- どれくらい費用がかかるのか
についてお伝えしてきました。
そして最後に、多くの経営者の方が感じるのが、
「結局、最初に何をすればいいの?」
という疑問です。
健康経営優良法人の認定を目指そうとすると、どうしても「申請」という言葉に意識が向きやすくなります。
そのため、
- 申請書を見て難しそうだと感じる
- 必要な項目が多くて手が止まる
- 何から準備すればいいのか分からない
- 自社がそもそも申請できる状態なのか分からない
といったことも起こりやすくなります。
ですが、最初にすることは、いきなり申請書を書くことではありません。
まずは、自社の現状を整理することです。
今できていることを確認し、足りないことを見つけ、そのうえで順番に整えていく。
この進め方にすると、健康経営優良法人への準備はずっと分かりやすくなります。
目次
最初にするのは現状把握
健康経営優良法人を目指すと決めたとき、最初にやるべきことは、
「今、自社で何をしているのかを把握すること」
です。
ここで、いきなり新しい制度を導入する必要はありません。
まずは紙やパソコンのメモに、
「社員の健康や働き方について、現在やっていること」
を書き出してみてください。
たとえば、
- 毎年、健康診断を受けてもらっている
- 残業時間を管理している
- 有給休暇の取得を案内している
- 体調不良のときは休みやすくしている
- 社長や上司が定期的に社員へ声を掛けている
- 社内で健康に関する情報を共有している
- 長時間働いている社員がいれば状況を確認している
といったことです。
こうして書き出してみると、
「何もやっていないと思っていたけれど、意外とやっていた」
と気づく会社もあります。
健康経営という名前を付けていなくても、これまで会社として行ってきた取り組みが健康経営につながっている場合があります。
だからこそ、最初から、
「うちはまだ何もできていない」
と決めつけないことが大切です。
すでにやっていることを書き出す
健康経営優良法人を目指すとき、多くの方は「できていないこと」に目が向きます。
申請要件を見て、
「これはできていない」
「これも必要なのか」
「こんなにやることがあるの?」
と感じると、急にハードルが高く見えてしまいます。
そこで、まずは、
「できていること」から確認する
のがおすすめです。
たとえば、次のように整理してみてください。
健康診断
- 毎年受診案内をしている
- 受診状況を確認している
- 受診しやすいよう勤務時間を調整している
働く時間
- 残業時間を確認している
- 仕事が一人に集中していないか見ている
- 忙しい社員へ声を掛けている
休暇
- 有給休暇の制度がある
- 休暇取得を呼び掛けている
- 体調不良時に休みやすいよう配慮している
コミュニケーション
- 定期的に面談している
- 困っていることがないか確認している
- 相談しやすい雰囲気をつくろうとしている
このように整理すると、
「できていること」と「これから整えたいこと」
が見えやすくなります。
最初からできていない部分だけを見るよりも、現在地を確認してから進めるほうが、次の行動を決めやすくなります。
認定要件と照らし合わせる
自社で現在行っていることを整理したら、次に健康経営優良法人の認定要件と照らし合わせていきます。
ここで初めて、
「認定を目指すために、あと何が必要なのか」
を確認します。
大切なのは、順番です。
最初から認定項目だけを見て、
「これを全部やらなければ」
と考えるのではありません。
まず今の会社の取り組みを整理し、その後で認定要件を見る。
そうすると、
- すでにできていること
- 少し改善すれば対応できそうなこと
- これから新しく取り組む必要があること
に分けやすくなります。
たとえば、健康診断についてはできている。
一方で、社員への健康情報の発信はまだ十分ではない。
休暇制度はあるけれど、実際には取りにくい。
このように一つずつ確認することで、次に何をすればよいかが見えやすくなります。
また、中小規模法人部門では、申請前に「健康宣言事業」への参加など、事前に必要となる準備があります。
そのため、認定を目指す場合は、実際に申請する年度の最新要件を確認しながら進めることが大切です。
制度や申請方法は変更される場合があるため、前年と同じだと思い込まず、必ず最新の公式情報を確認してください。
足りない部分を一つずつ整える
認定要件と現在の取り組みを比べると、できていないことが見つかるかもしれません。
そのときに、
「全部すぐにやらなければ」
と焦る必要はありません。
まず、次の3つに分けてみましょう。
- 今すでにできていること
- 少し改善すればできそうなこと
- 新しく取り組む必要があること
そして、優先順位を決めます。
たとえば、
「まず健康宣言について確認する」
次に、
「健康診断の受診状況を整理する」
その次に、
「社員へ健康経営について伝える」
というように、一つずつ進めていきます。
いきなり10個のことを始めると、担当者にも社員にも負担がかかります。
それよりも、
「今月はここまで」
「次はこれを整える」
というように進めたほうが、無理なく続けやすくなります。
健康経営は、短期間だけ頑張ればよいものではありません。
小さな改善を積み重ね、会社の仕組みとして定着させていくことが大切です。
最初から完璧を目指さない
健康経営に取り組むとき、真面目な経営者ほど、
「やるならきちんとやらなければ」
と考えます。
もちろん、その姿勢は大切です。
ただし、最初から完璧を目指してしまうと、なかなか最初の一歩を踏み出せなくなることがあります。
たとえば、
- 新しい制度を全部整えてから始めよう
- 専門の担当者を決めてから始めよう
- 予算を確保してから始めよう
- 社員全員が納得してから始めよう
と考えているうちに、何か月も過ぎてしまうことがあります。
でも、健康経営は、
「完璧に準備できてから始めるもの」
ではありません。
まずできることを始めて、その結果を見ながら改善していくものです。
たとえば、
今月は社員の健康診断の状況を確認する。
来月は休暇取得について確認する。
その次は社員との面談について考える。
このような進め方でも構いません。
大切なのは、
「何もしていない状態から、一つ動くこと」
です。
分からない場合は専門家に相談する
ここまで読んでも、
- 「うちの場合は、どこから始めればいい?」
- 「今やっている取り組みで足りる?」
- 「申請要件を見てもよく分からない」
- 「何を優先すればいい?」
- 「お金をかけずにできることはどこまで?」
と思う方もいるでしょう。
それは珍しいことではありません。
健康経営優良法人の認定には確認する項目がありますし、会社によって現在の状況も違います。
社員数も違えば、業種も違います。
すでに取り組んでいる内容も違います。
そのため、
「他社がこれをやっているから、うちも同じことをすればいい」
とは限りません。
必要なのは、
「一般的に何をするか」ではなく「自社では何をするか」
に落とし込むことです。
そのためには、まず会社の現在地を整理します。
そして、
- すでにできているところ
- 少し改善すればよいところ
- これから取り組むところ
を分けて考えます。
自社だけでは整理しづらい場合には、健康経営について理解している専門家や健康経営アドバイザーに相談する方法もあります。
相談するときも、
「全部任せたい」
ではなく、
「まず、うちの現在地を一緒に整理してほしい」
というところから始めると分かりやすくなります。
健康経営を「認定のため」だけで終わらせない
健康経営優良法人を目指す以上、認定を取りたいという目標を持つことは自然です。
認定されれば、会社としても大きな達成感があります。
ただし、健康経営は、
「認定されたら終了」
ではありません。
本当に大切なのは、その後も社員が健康に働き続けられる職場をつくっていくことです。
たとえば、
- 健康診断の受診状況を毎年確認する
- 残業の状況を定期的に確認する
- 休暇を取りやすい状態になっているか見直す
- 社員が困っていることを聞く
- 取り組みが本当に役立っているか確認する
といったことを続けていきます。
そして、うまくいかなければ改善する。
健康経営は、
「やる → 確認する → 改善する」
を繰り返していく取り組みです。
認定は、その取り組みを社内外に見える形で示す一つの方法です。
だからこそ、
「認定を取るために健康経営をする」
のではなく、
「より良い会社をつくるために健康経営を行い、その結果として認定を目指す」
という考え方が大切です。
健康経営は会社の未来を考えるきっかけになる
健康経営という言葉だけを見ると、社員の健康に関する取り組みだと思うかもしれません。
しかし、実際に取り組み始めると、会社全体について考えるきっかけになります。
たとえば、
- 一人に仕事が集中していないか
- 社員が休んでも仕事が回るか
- 困ったときに相談できるか
- 長く働き続けられる環境になっているか
- 経営者の考えが社員に伝わっているか
ということです。
これらは、単なる「健康」の問題ではありません。
会社を長く続けるための組織づくりにもつながる話です。
特に中小企業では、一人ひとりの社員が会社を支える大切な存在です。
一人が長期間休むことになれば、他の社員の負担が増えるかもしれません。
退職すれば、採用や引き継ぎが必要になることもあります。
だからこそ、
「社員が元気に働き続けられる会社をつくる」
ことは、社員のためだけではなく、会社の将来を守ることにもつながります。
「いつかやろう」ではなく、まず現在地を確認する
健康経営優良法人に興味を持っても、
「今は忙しいから」
「もう少し会社が大きくなってから」
「来年考えればいいかな」
と後回しにしてしまうことがあります。
もちろん、会社にはそれぞれ事情があります。
すぐに認定申請まで進める必要がない場合もあります。
ただ、
「今の会社がどこまでできているのか」
を一度確認しておくことには意味があります。
なぜなら、自社の現在地が分かれば、
- すぐに目指せそうなのか
- 半年くらい準備が必要なのか
- まず社内の仕組みから整えたほうがいいのか
といった方向性が見えてくるからです。
「認定を取るかどうか」は、その後に判断しても構いません。
まずは、
「うちの会社は今、どこまでできている?」
を確認する。
それが最初の一歩です。
まずはこの5つを確認してみましょう
何から始めればよいか迷ったら、まず次の5つを確認してみてください。
-
健康診断
社員が必要な健康診断を受けられているか。 -
働く時間
残業が一部の社員に集中していないか。 -
休暇
制度があるだけではなく、実際に休みやすいか。 -
コミュニケーション
困ったときに相談しやすい環境があるか。 -
経営者からの発信
社員の健康を大切にする会社の考えを伝えているか。
すべてできている必要はありません。
まずは、
- できている
- 少しできている
- まだできていない
に分けてみてください。
それだけでも、自社の現在地がかなり見えやすくなります。
まとめ+要約
健康経営優良法人を目指すとき、最初にするべきことは、
「何か新しい制度を導入すること」
でも、
「いきなり申請書を書くこと」
でもありません。
まずは、自社の現在地を知ることです。
具体的には、
- 現在やっていることを整理する
- できていることを確認する
- 最新の認定要件と照らし合わせる
- 足りないところを見つける
- 優先順位を決める
- 一つずつ取り組む
という順番です。
健康経営は、
「大きな会社だからできること」
ではありません。
社員が元気に働き続けられる会社をつくる。
そのために、今の働き方や職場環境を見直していく。
その積み重ねが健康経営です。
そして、その取り組みを社内外へ分かりやすく示す一つの方法が、健康経営優良法人の認定です。
大切なのは、認定を取ることだけをゴールにしないことです。
「社員が長く安心して働ける会社にするには、何が必要だろう?」
という視点から考えてみてください。
「うちにはまだ早い」
と思っている会社でも、すでに健康経営につながる取り組みをしているかもしれません。
まずは今やっていることを書き出し、自社の現在地を確認するところから始めてみましょう。
FAQ
Q1. 健康経営優良法人を目指す最初の一歩は何ですか?
まずは、自社ですでに行っている健康や働き方に関する取り組みを整理することです。
健康診断、残業、休暇、コミュニケーション、経営者からの発信などについて、「今何をしているか」を書き出してみましょう。
その後、最新の認定要件と照らし合わせることで、足りない部分や次に取り組むことが見えやすくなります。
Q2. まだ健康経営らしいことをしていなくても認定を目指せますか?
まずは現在の取り組みを確認することが大切です。
自社では「健康経営をしていない」と思っていても、健康診断、残業管理、休暇取得、社員への声掛けなど、すでに健康経営につながる取り組みを行っている場合があります。
そのうえで、認定要件と照らし合わせ、足りない部分を一つずつ整えていきます。
Q3. 自社だけで進めるのが難しい場合はどうすればいいですか?
健康経営について理解している専門家や健康経営アドバイザーへ相談する方法があります。
いきなりすべてを任せる必要はありません。
まずは「自社で今できていること」「これから必要なこと」を一緒に整理してもらうところから始めると進めやすくなります。
📩 「健康経営優良法人に興味はあるけれど、うちの場合は何から始めればいい?」 「今やっている取り組みで、どこまで認定を目指せる?」 「申請までに何を整えておけばいいの?」 という方へ。 まずは現在の健康診断、働き方、休暇、社内コミュニケーションなどを確認しながら、 できているところと、これから整えていくところを一緒に整理します。 健康経営優良法人の認定申請に向けて、まず何から始めればよいのか、健康経営アドバイザーがお話しします。 LINEで相談する から気軽にご相談ください。