CSRとCSVは何が違う?中小企業・個人事業主の仕事に置き換えて考えてみよう

前回のDay1では、CSRやCSVは大企業だけのものではなく、中小零細企業や個人事業主でも、普段の仕事の中から考えられることをお伝えしました。

すると、次に出てくるのがこんな疑問ではないでしょうか。

「CSRとCSVって、結局何が違うの?」

CSRは「企業の社会的責任」。

CSVは「共通価値の創造」。

言葉の意味だけ説明されても、なかなかピンとこないかもしれません。

さらに、「環境に配慮するのはCSR?」「地域のための商品をつくるのはCSV?」「従業員が働きやすくすることはどっち?」と考え始めると、余計に分からなくなってしまいます。

ですが、中小企業や個人事業主がCSRとCSVについて考えるとき、最初から厳密に分類することにこだわる必要はありません。

大切なのは、CSRとCSVという2つの視点を使って、自社の仕事と社会との関係を見直してみることです。

今回は、難しい経営用語だけで説明するのではなく、身近な仕事に置き換えながらCSRとCSVの違いを整理していきます。


まず結論:CSRとCSVは「何のために、どう事業とつながっているか」を見ると分かりやすい

CSRとCSVの違いを理解するとき、活動の見た目だけで判断しようとすると分かりにくくなります。

たとえば、「食品ロスを減らす」という取り組みがあったとします。

これだけを見て、

「これはCSRです」

「これはCSVです」

と簡単に決めることはできません。

なぜなら、その取り組みをなぜ行っているのか、そして本業とどのようにつながっているのかによって意味が変わってくるからです。

まず大まかに整理すると、次のように考えると分かりやすくなります。

視点 CSR CSV
基本的な問い 社会の一員として、どのような責任を果たすべきか 社会の課題を解決しながら、事業としての価値も生み出せないか
重視すること 責任ある事業活動 社会的価値と経済的価値の両立
本業との関係 本業そのものから事業活動全体まで幅広く考えられる 基本的に本業や競争力との結びつきを重視する
中小企業での考え方 今の経営や仕事のあり方を見直す 社会の困りごとと自社の強みを結びつける

ただし、この表は理解しやすくするための整理です。

CSRとCSVは完全に切り離されたものではありませんし、実際の企業活動では両方の性格を持つ取り組みもあります。

「これはCSRかCSVか」と分類することより、「社会にとっての価値と自社にとっての価値がどうつながっているか」を考えるほうが、中小企業の経営では実用的です。


CSRは「会社として、どう振る舞うか」を考える視点

CSRは「Corporate Social Responsibility」の略で、日本語では一般的に「企業の社会的責任」と訳されています。

「社会的責任」という言葉だけを見ると、とても大きな話に感じるかもしれません。

しかし、実際には日々の経営に深く関係しています。

たとえば、

  • 安全な商品やサービスを提供する
  • お客様に誤解を与えるような説明をしない
  • 法令を守る
  • 個人情報を適切に扱う
  • 従業員の人権や働く環境に配慮する
  • 取引先と適切な関係を築く
  • 環境への負荷を考える
  • 地域社会との関係を大切にする

といったこともCSRを考えるうえで重要なテーマです。

つまりCSRは、

「利益を出せば、それ以外は考えなくてもよい」

という経営ではなく、

「事業を行う社会の一員として、周囲への影響を考えながら責任ある経営をしていこう」

という視点だと考えると分かりやすいでしょう。


CSRは「利益が出た後に社会貢献すること」だけではない

ここは、とても大切なポイントです。

CSRというと、

「会社で利益を出す」

 ↓

「その利益の一部を寄付する」

というイメージを持つ方もいるかもしれません。

もちろん、寄付や地域活動も社会との関係を考える取り組みの一つです。

しかし、CSRをそれだけで捉えると範囲が狭くなってしまいます。

たとえば、どれだけ多額の寄付をしていたとしても、商品について誤解を招く説明をしていたり、従業員に過度な負担をかけていたり、取引先に不合理な条件を押しつけていたりすれば、「責任ある経営」とは言いにくいでしょう。

反対に、大きな寄付をしていなくても、

お客様に誠実に向き合う。

従業員を大切にする。

取引先と適切な関係をつくる。

無駄な廃棄を減らす。

地域に迷惑をかけない。

こうした日々の積み重ねも、社会に対する責任を考えるうえで重要です。

中小零細企業や個人事業主にとっては、特別なCSR活動を増やす前に、「今の商売のやり方は、自分たちが大切にしたい価値観と一致しているだろうか」と考えてみることが出発点になります。


CSVは「社会の困りごと」を本業の価値につなげる視点

一方、CSVは「Creating Shared Value」の略で、日本語では「共通価値の創造」などと訳されています。

CSVという考え方を広く知られるものにしたマイケル・E・ポーターとマーク・R・クラマーは、企業が社会的な課題に対応することと、企業にとっての経済的価値を生み出すことを結びつけて考えました。

中小企業向けにもっと簡単に言い換えるなら、

「世の中や地域の困りごとを、自分たちの商売だからこそ解決できないだろうか?」

という問いから考えてみると分かりやすくなります。

ポイントは「本業とのつながり」です。

会社の外側で社会貢献活動をするだけではなく、商品やサービス、仕入れ、販売方法、生産方法など、事業そのものの中で社会的な価値をつくり、それが事業にとっての価値にもつながる方法を考えます。


具体例で考えるとCSRとCSVの違いが見えてくる

ここからは、説明用の仮想ケースで考えてみましょう。

例1:地域の飲食店の場合

ある地域の飲食店が、近所の清掃活動に定期的に参加しているとします。

これは地域社会との良好な関係をつくる社会貢献活動として、CSRの文脈で考えることができます。

では、この飲食店が別の課題に気づいたとします。

近隣の農家では、味には問題がないものの、形や大きさなどの理由で通常の流通に乗せにくい農産物がある。

一方、飲食店では食材価格の上昇が経営上の課題になっている。

そこで農家と相談し、通常の流通では扱いにくい農産物の一部を料理に活用できないか考える。

もし仕組みとして成り立てば、農家にとっては新しい販売先になる可能性があります。

飲食店にとっては、新しいメニューづくりや仕入れ方法の工夫につながるかもしれません。

さらに、お客様にとっても地域の食材を楽しむという価値が生まれる可能性があります。

このように、

社会や地域の課題
+
自社の事業
+
経営上の価値

を結びつけて考えていくのが、CSVを理解する一つの方法です。

ただし、実際にCSVとして成立するためには、単に「良いことをしている」だけではなく、品質、価格、供給量、採算性なども含め、事業として継続できる仕組みになっていることが重要です。


例2:小さな工務店の場合

次は、地域密着型の工務店を想定してみましょう。

地域のイベントに協賛したり、地域清掃に参加したりすることは、地域社会との関係を大切にする活動としてCSRの文脈で考えられます。

では、この工務店が日々お客様と接する中で、こんな困りごとに気づいたらどうでしょうか。

「高齢になって、自宅の小さな段差が怖くなってきた」

「大規模なリフォームをするほどではないけれど、手すりを付けたい」

「どこに相談すればよいのか分からない」

こうした地域の困りごとに対して、自社の建築や施工の知識を使い、小規模な住環境改善サービスを分かりやすく提供できないか考える。

これは単なる寄付ではありません。

地域の困りごとの解決と、工務店の専門性、新しい顧客との接点、事業機会を結びつける発想です。

実際に需要があり、適切な価格で継続的に提供できるなら、CSV的な事業の考え方に近づいていきます。


例3:個人事業の専門サービスの場合

CSVは、店舗や製造業だけの話ではありません。

たとえば、専門知識を提供している個人事業主を考えてみます。

日々お客様と話していると、ある共通した問題に気づきました。

「専門用語が多すぎて、何を選べばよいのか分からない」

「業者によって説明が違うので判断できない」

「必要以上のサービスを契約してしまわないか不安」

そこで、専門家だからこそ持っている知識を使い、初心者でも判断しやすいサービスや相談方法をつくる。

これは、お客様側にある「情報が分からない」という問題の解決につながります。

同時に事業者にとっても、

「分かりやすく説明してくれる」

「無理に売らない」

「自分で判断できる材料をくれる」

という独自の価値につながる可能性があります。

これもまた、社会や顧客の困りごとと自分の専門性を結びつけて考える例です。


同じ活動でも「CSRにもCSVにもなり得る」のはなぜ?

ここまで読んで、

「結局、CSRとCSVの境界は曖昧なのでは?」

と思った方もいるかもしれません。

その感覚は不自然ではありません。

実際の企業活動は、教科書のようにきれいに分類できるものばかりではないからです。

たとえば、省エネルギーへの取り組みを考えてみます。

電気をこまめに消す。

無駄な資源を使わない。

環境への負荷を減らす。

これは環境への責任というCSRの視点で考えることができます。

一方で、省エネルギーにつながる製造工程そのものを開発し、エネルギーコストを下げながら生産性や競争力を高めることができれば、社会的な価値と経済的な価値を同時に生み出すCSV的な要素が強くなります。

つまり、活動名だけを見ても分からないのです。

「なぜ行うのか」

「本業とどうつながっているのか」

「社会にどんな価値が生まれるのか」

「会社にどんな経済的価値が生まれるのか」

まで見ていくことで、その取り組みの意味が分かってきます。


CSRからCSVへ「進化させなければならない」と考えなくていい

ここでもう一つ注意したいことがあります。

CSRとCSVを学ぶと、

「CSRは古い」

「CSVのほうが進んでいる」

「CSR活動をCSVに変えなければならない」

と考えてしまうことがあります。

しかし、中小企業や個人事業主が実際の経営で考えるときは、単純に優劣をつける必要はありません。

そもそも企業として守るべき責任があります。

お客様の安全を守る。

法令を守る。

働く人の人権を尊重する。

誠実な情報提供をする。

取引先に不当な負担を押しつけない。

こうしたことは、「利益につながるかどうか」だけで判断するものではありません。

会社として果たすべき責任と、社会課題を事業機会につなげるCSVの発想は、役割が異なります。

CSRという土台を大切にしながら、自社の強みを使って社会的な価値と事業価値を同時につくれる部分がないか探していく。

中小企業では、このように考えると実践しやすくなります。


「社会に良いことをすればCSV」ではありません

CSVを考えるときに気をつけたいのが、社会に良いことをしていれば、すべてCSVになるわけではないという点です。

たとえば、会社が毎年地域団体に寄付をしているとします。

その寄付自体には社会的な価値があります。

しかし、それだけで自社の事業価値とのつながりが生まれているとは限りません。

反対に、社会課題を利用して商品を売ればCSVになるわけでもありません。

「環境のため」

「地域のため」

「未来のため」

と宣伝していても、実際に社会的な価値が生まれていなければ意味がありません。

CSVを考えるときは、少なくとも次の3つを確認してみるとよいでしょう。

  1. 本当に解決したい社会・地域・顧客の課題があるか
  2. その課題と自社の強み・商品・サービスがつながっているか
  3. 社会的な価値だけでなく、事業として継続できる経済的な価値も生まれるか

この3つが重なるところを探していくことが重要です。


小さな会社は「社会課題」を探しに行かなくてもいい

「CSVを考えるには、まず社会課題を調査しなければいけない」

そう考えると、一気に難しくなります。

もちろん、市場調査や社会課題について学ぶことは大切です。

しかし、中小零細企業や個人事業主には、もっと身近な出発点があります。

普段、お客様や地域の人から何度も聞く「困った」を思い出してみることです。

たとえば、

  • 「もっと少ない量で買えないの?」
  • 「高齢者でも使いやすくできない?」
  • 「専門用語が難しくて分からない」
  • 「修理したいけれど、どこに頼めばいいか分からない」
  • 「子どもがいるので、この時間には利用できない」
  • 「捨てるのはもったいないけれど、使い道がない」
  • 「地元で頼める会社が見つからない」

こうした言葉の中に、商品やサービスを改善するヒントが隠れていることがあります。

大企業が大規模な調査をしなければ見つけられない課題もあります。

一方、小さな会社だからこそ、お客様の一言や地域の小さな変化に気づける場合もあります。

CSVを難しい経営戦略として考える前に、「最近、お客様から何度も聞いた困りごとは何だっただろう?」と振り返ってみる。

そこから始めてもよいのです。


CSR・CSVは「良い会社に見せるため」にやるものではない

CSRやCSVへの関心が高まると、もう一つ注意したいことがあります。

それは、活動そのものよりも「どう見せるか」が先になってしまうことです。

「環境に配慮しています」

「地域社会に貢献しています」

「社会課題の解決に取り組んでいます」

こうした言葉をホームページに掲載すること自体が問題なのではありません。

実際に取り組んでいることを分かりやすく伝えることは大切です。

しかし、発信する言葉と実際の事業活動が一致していなければ、長期的な信頼にはつながりにくくなります。

中小企業や個人事業主の場合、派手なメッセージを掲げるより、

「なぜこの材料を選んでいるのか」

「なぜこのサービスを始めたのか」

「どんなお客様の困りごとを解決したかったのか」

「何を改善し、何がまだできていないのか」

を具体的に伝えるほうが、自社らしさが伝わる場合があります。

CSR・CSVは「良く見せるための言葉」ではなく、「自社が何を大切にして事業をするのか」を整理するための視点として使うことが重要です。


CSR・CSVが同業他社との差別化につながるのはどんなとき?

中小企業経営者にとって気になるのは、

「それが経営にどう役立つのか?」

という点ではないでしょうか。

CSRやCSVを掲げただけで差別化できるわけではありません。

「CSRに取り組んでいます」

「SDGsに貢献しています」

と書くだけなら、同業他社も同じことができます。

差が生まれやすいのは、その考え方が実際の商品やサービスの設計にまで反映されているときです。

たとえば、同じ商品を販売する2社があったとします。

A社は「環境に配慮しています」とホームページに書いています。

B社は、梱包方法を見直し、必要以上の包装を減らし、なぜその方法を選んだのかを説明しています。

この場合、B社には具体的な行動があります。

さらに、その工夫によって包装コストや作業時間まで減り、お客様にとっても処分しやすくなったとすれば、

環境への配慮
+
お客様の利便性
+
会社の生産性

がつながってきます。

こうした「その会社ならではの仕組み」は、単なるイメージづくりよりも模倣されにくい強みになる可能性があります。


中小企業・個人事業主が覚えておきたい「3つの円」

CSVについて難しい理論をすべて覚える必要はありません。

まずは、次の3つの円が重なる場所を探すイメージを持ってみてください。

1つ目の円:社会・地域・お客様の困りごと

まず、誰が何に困っているのかを考えます。

環境問題のような大きなテーマだけではありません。

地域、お客様、従業員、取引先などの身近な課題も含めて考えます。

2つ目の円:自社が得意なこと

次に、自社が持っているものを考えます。

技術。

知識。

経験。

設備。

人とのつながり。

地域についての知識。

長年積み重ねてきたノウハウ。

大企業と同じ資源を持っている必要はありません。

むしろ、長く仕事をしていると「自分たちにとって当たり前すぎて強みだと思っていないもの」が見つかることがあります。

3つ目の円:事業として続けられること

最後が非常に重要です。

社会にとって良いことでも、会社が赤字になり続ければ継続することは難しくなります。

お客様がお金を払う価値があるか。

コスト削減につながるか。

生産性向上につながるか。

新しい顧客との接点になるか。

既存顧客により良い価値を提供できるか。

人材の活用につながるか。

こうした経営面も一緒に考えます。

「社会の困りごと」「自社の強み」「事業としての継続性」。この3つが重なるところを探す。

中小企業や個人事業主がCSVを考えるときは、まずこの方法から始めると整理しやすくなります。


今日やってみてほしいこと

今日は、CSRとCSVを完璧に理解することより、自社の仕事を2つの視点から見てみましょう。

紙を1枚用意して、左右に分けてください。

左側には、

「会社として大切にしたい責任」

と書きます。

その下に、

  • お客様に対して
  • 従業員に対して
  • 取引先に対して
  • 地域に対して
  • 環境や社会に対して

今やっていること、改善したいことを書いてみてください。

こちらがCSRを考える材料になります。

次に右側には、

「自分たちの仕事だから解決できそうな困りごと」

と書きます。

そして、最近お客様や取引先、地域の人から聞いた「困った」「不便」「もったいない」「分からない」を思い出して書き出してみてください。

その中から、自社の技術や経験を使って解決できそうなものに丸を付けます。

こちらがCSVの可能性を探す材料になります。

この段階では、新しい商品を考える必要も、事業計画を作る必要もありません。

まずは「自社と社会の接点を見つける」。

それだけで十分です。


まとめ+要約

CSRとCSVは似ていますが、見ているポイントが少し違います。

CSRは、企業が社会の一員として、自社の活動が周囲に与える影響を考えながら責任ある経営を行うという視点です。

寄付やボランティアだけではなく、お客様への誠実な対応、法令遵守、従業員の人権や働く環境、取引先との関係、環境への配慮なども関係します。

一方のCSVは、社会や地域、お客様が抱えている課題の解決と、自社にとっての経済的な価値を本業の中で結びつけて考える視点です。

中小零細企業や個人事業主がCSVを考えるなら、

「社会・地域・お客様の困りごと」

「自社が得意なこと」

「事業として続けられること」

という3つが重なる場所を探してみると分かりやすくなります。

そして、CSRとCSVを無理に二者択一にする必要はありません。

社会の一員として果たすべき責任を大切にしながら、自社だから解決できる課題を見つけ、それを持続可能な事業につなげられないか考えていく。

その視点が、小さな会社にとってのCSR・CSVの出発点になります。


よくある質問

Q. CSRとCSVは、どちらから始めればよいですか?

どちらか一方を選ぶ必要はありません。まず、自社がお客様、従業員、取引先、地域などに対してどのような責任を持っているかを確認します。そのうえで、社会や地域の困りごとの中に、自社の強みを使って解決できるものがないか探していくと整理しやすくなります。

Q. CSR活動をすればCSVになりますか?

必ずしもそうではありません。CSVでは、社会的な価値を生み出すことと、自社にとっての経済的価値が本業の中で結びついているかが重要になります。ただし、実際の取り組みにはCSRとCSVの両方の性格が含まれる場合もあるため、無理に分類する必要はありません。

Q. ボランティアや寄付はCSVではないのでしょうか?

寄付やボランティアには、それ自体に社会的な意義があります。ただ、それだけでCSVになるとは限りません。CSVでは、自社の商品、サービス、技術、仕入れ、生産などと社会課題の解決を結びつけながら、事業としての価値も生み出すことを重視します。

Q. 個人事業主でもCSVは考えられますか?

考えられます。会社の規模よりも、「自分の仕事で、誰のどんな問題を解決できるか」という視点が重要です。専門知識や経験を使ってお客様の困りごとを解決し、それが継続可能なサービスになるのであれば、CSVを考える材料になります。

Q. CSRやCSVを差別化のために使ってもよいのでしょうか?

CSR・CSVの取り組みが結果として自社の特徴や選ばれる理由につながることはあります。ただし、「良い会社に見せること」だけを目的にすると、実際の活動とのずれが生じる可能性があります。まず社会やお客様にどのような価値を提供するのかを考え、その事実を具体的に伝えていくことが大切です。


次の記事

CSRとCSVの違いが分かってくると、次に知りたくなるのは、

「では、実際に小さな会社では何ができるの?」

ということではないでしょうか。

「社会課題を解決する」と言われても、それだけではまだ話が大きすぎます。

そこでDay3では、視点をさらに具体的な現場へ移します。

製造業、飲食・小売、建設・住宅、地域サービス、専門サービス、個人事業などを想定しながら、中小零細企業や個人事業主がCSR・CSVの種をどこから見つけられるのかを具体例とともに考えていきます。

大きな予算がなければできないことではなく、すでに自社の中にある技術、経験、お客様との関係、地域とのつながりから考えてみましょう。

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内部リンク案

  • 「CSR・CSVは大企業だけのもの?」 → Day1「小さな会社だからこそ考えたい社会と商売の関係」
  • 「中小企業ができるCSR・CSVの具体例」 → Day3
  • 「自社でCSR・CSVを始める方法」 → Day4
  • 「CSR・CSVを経営や差別化につなげる考え方」 → Day5

Sources / Evidence

経済産業省 中小企業庁委託「企業の社会的責任 CSRと人権」

CSRについて、企業は社会を構成する一員として社会的役割と責任を持つという考え方、および人権尊重、法令遵守、情報開示、環境への配慮、社会貢献活動など幅広い取り組みがあることの確認に使用しています。

Michael E. Porter & Mark R. Kramer, “Creating Shared Value,” Harvard Business Review, January–February 2011

CSVについて、社会的な課題への対応を通じて社会的価値と企業にとっての経済的価値を結びつけるという基本概念の確認に使用しています。

Harvard Business Review, “How Shared Value Differs From Corporate Social Responsibility,” 2011

CSRとCSVの違いを整理する際に、CSVが企業の競争力や事業との結びつきを重視するという原典側の整理を確認するために使用しています。

※CSRとCSVの関係や整理方法については、研究者、企業、機関などによって説明の仕方が異なる場合があります。本記事では、CSRとCSVを単純な優劣関係として扱わず、中小零細企業や個人事業主が実際の経営に活用しやすいように整理しています。