正社員とパートの賃金差はどうなる?同一労働同一賃金をわかりやすく解説

はじめに

昨日の記事では、

「正社員とパートの給料を全部同じにする制度ではない」

とお伝えしました。

すると次に気になるのは、

「では、どこまで差があってもいいのか?」

ではないでしょうか。

ここを理解するために必要なのは、難しい法律用語を覚えることではありません。

経営者として、

「なぜこの人にはこの待遇なのか?」

を説明できるようにすることです。

目次

  1. 給料の違いを見る3つのポイント
  2. 「パートだから安い」は危険
  3. 基本給だけではない
  4. 賞与や退職金はどうなる?
  5. 自社で確認する方法

賃金差を見るときの3つのポイント

正社員とパートなどの待遇差を考える際、特に重要になるのが、

仕事内容

責任の重さ

人事異動や役割変更の範囲

です。

さらに、成果・能力・経験などが待遇決定の要素になることもあります。

厚生労働省も、待遇差の理由を説明する際には、 職務内容や配置変更の範囲、その他の事情などを踏まえる考え方を示しています。

たとえば同じ「販売スタッフ」でも、

一人は接客中心。

もう一人は接客に加え、売上管理、スタッフ指導、店舗責任者の代行まで行う。

この場合、給料に差があることには一定の理由があります。

参考: 厚生労働省「パート・有期労働ポータルサイト FAQ」

「パートだから安い」は説明になりにくい

問題になりやすいのは、

「正社員だから月給20万円」

「パートだから時給1,100円」

というように、雇用区分だけで待遇を決めているケースです。

もちろん、金額だけを比べて直ちに違法という意味ではありません。

確認すべきなのは中身です。

仕事内容は?

責任は?

求められる能力は?

転勤や異動は?

残業対応は?

人材育成の責任は?

こうした違いを整理したうえで待遇差を確認します。

基本給だけではありません

経営者が確認しておきたい項目には、

  • 基本給・時給
  • 賞与
  • 通勤手当
  • 役職手当
  • 家族手当
  • 住宅手当
  • 退職金
  • 休暇
  • 福利厚生

などがあります。

つまり、

「時給は問題なさそうだから大丈夫」

とは限らないということです。

厚生労働省のガイドラインも、 賃金だけでなく福利厚生や能力開発などを含めて待遇差を考えるものとしています。

参考: 厚生労働省「同一労働同一賃金特集ページ」

ボーナスや退職金はどうなる?

2026年10月の改正で特に注目したいのが賞与・退職手当です。

賞与や退職手当には、

働いたことへの対価、

長期間働いたことへの評価、

会社への貢献への報酬、

など複数の目的が含まれることがあります。

その目的がパートや有期雇用社員にも当てはまるのに、 仕事などの違いに応じた適切な支給をまったくしていない場合、 不合理な待遇差と判断される可能性があるという考え方が示されています。

ここで大切なのは、

「パートにも必ず正社員と同額のボーナスを払う」

という意味ではないことです。

会社の賞与制度が何を目的にしているのか。

その目的から見て、対象者を分ける理由があるのか。

ここを整理する必要があります。

参考: 厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン関連資料」

自社で一度やってみてほしいこと

紙でもExcelでも構いません。

まず左側に正社員の待遇を書きます。

その右側にパートの待遇を書きます。

そして3列目に、

「なぜ違う?」

と書いてください。

そこで、

「昔から」

「なんとなく」

「パートだから」

となった部分が、確認候補です。

逆に、

「店舗責任者として人員管理を担当するため」

「全国転勤があるため」

「業績責任を負うため」

など、仕事内容や責任との関係が明確なら説明もしやすくなります。

まとめ+要約

同一労働同一賃金で最も大切なのは、 金額を機械的に同じにすることではなく、待遇差の理由を整理することです。

「正社員だから」

「パートだから」

だけで待遇を決めている会社は、一度見直す機会にした方がよいでしょう。

特に2026年10月からは賞与、退職手当、各種手当、休暇などについて 考え方がより具体化されます。

参考: 厚生労働省「パート・有期労働ポータルサイト」

FAQ

Q1. 同じ仕事なら給料も必ず同額ですか?

仕事内容だけでなく責任、配置変更の範囲、能力や経験なども含めて判断されます。 そのため単純な職種名だけで決まるものではありません。

Q2. パートにはボーナスを出していません。すぐ違反になりますか?

一律には判断できません。 賞与の目的や、正社員とパートの仕事内容・責任等の違いを踏まえて確認する必要があります。

Q3. 就業規則も見直した方がいいですか?

賃金や手当、休暇などに雇用区分ごとの違いがある場合には、 実際の運用と合わせて一度確認しておくことをおすすめします。

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